Annexe 2【分室2】〜 香水瓶②

Dressing Table Bottle 化粧台用香水瓶

 

MEISSEN Porcelain Harlequin Figural Sent Bottle
マイセン磁器ハーレクインフィギュア香水瓶

c1870 Saxony Germany
1870年頃 ザクセン ドイツ
窯印:交差する双剣、41 彫り:2846(型番)
高さ:8.0cm 硬質磁器 金色合金
 
イタリア喜劇コメディア・デラルテに登場する道化師ハーレクインの香水瓶。マイセン王立磁器工場の天才原型師Johann Joachim Kaendler(ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1706-75)が1761年に制作しロココ趣味の王侯貴族の間で流行したモデルで、19世紀半ばに18世紀の宮廷文化に憧れる貴族や新興ブルジョワによって再び人気を得た。小さく複雑な形の香水瓶は置物のフィギュアと違い、容器内部も形を整え釉薬を掛けた手の込んだ作りとなる。帽子の縁に修復、花びらに小さなチップあり。
 

 

MEISSEN Porcelain Lady Holding Pug Dog Figural Sent Bottle
マイセン磁器パグ犬を抱く女フィギュア香水瓶

c1870 Saxony Germany
1870年頃 ザクセン ドイツ
窯印:交差する双剣 彫り:2844(型番)、63 
高さ:7.5cm 硬質磁器 金色合金
 
パグ犬を抱く女性の香水瓶は犬の頭が栓となっている。金属製の鎖と犬の首輪はオリジナルである。マイセン王立磁器工場の天才原型師Johann Joachim Kaendler(ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1706-75)が1761年に制作しロココ趣味の王侯貴族の間で流行したモデルで、19世紀半ばに18世紀の宮廷文化に憧れる貴族や新興ブルジョワによって再び人気を得た。小さく複雑な形の香水瓶は置物のフィギュアと違い、容器内部も形を整え釉薬を掛けた手の込んだ作りとなる。犬の頭と底部に修復あり。
 

 

Engraved Glass Atomizer Bottle with Silver Plated Bronze Bird Top
銀メッキブロンズ鳥型栓付きグラヴュール ガラス アトマイザー香水瓶

Late 19thC France or Austria
19世紀後期 フランスまたはオーストリア
刻印なし 高さ:19.7cm ブロンズ ダイヤモンド ガラス 
 
グラヴュールを施した重みのある分厚い洋梨型ガラスに小鳥をかたどった栓までの高さが20cmもあるヴォリュームの香水瓶は、貴婦人の化粧台の主役を飾るに相応しい。目にダイヤモンドを嵌めたブロンズ細工の小鳥は、羽毛や趾(アシユビ)まで精巧に彫刻されている。鳥の嘴内部に液体を噴射するための穴があるが、現在は部品欠損によりアトマイザーとしては機能しない。銀メッキを施した小鳥と蔦の葉のブロンズ装飾は、同じく鳥と蔦を刻んだルネサンス風蔓草文様のガラスのグラヴュールと呼応している。彫金職人とガラス職人が見事に連携した工芸品である。
 

 

Daum Nancy Mistletoe Glass Sent Bottle and Stopper
ドーム ナンシー ヤドリギ文ガラス香水瓶

c1890 Nancy France
1890年頃 ナンシー フランス
サイン:Daum≠Nancy 高さ:7.5cm ガラス
 
キリスト教以前の古代ケルトの祭司ドルイドが宗教儀式に用いた神聖な植物ヤドリギは、ヨーロッパ、特にアールヌーヴォー期の作家たちに好まれた意匠である。Daumによる香水瓶もそのひとつであり、グリーンの被せガラスにジヴレ(酸の腐食作用でガラス表面を荒らし霧氷模様をつけること)を施し酸化腐食彫りした上に金彩とエナメルで繊細にヤドリギを描いている。同じくヤドリギが浮き彫りされた瓶口縁部の金色の帯状装飾と栓は、この香水瓶を小品ながらも大変出来の良いガラス作品に高めている。

 

過去の作品

Silver Mounted Clear Glass Sent Bottle
銀装飾ガラス香水瓶

Middle 19thC France
19世紀中期 フランス
刻印:猪の頭(純度800) 高さ:10.5cm 銀 ガラス
 
細長い涙滴型のカットガラスの瓶は、花文様の銀の透かし細工でオーバーレイ装飾され、さらに蝶番付きの銀蓋にも花の意匠が打ち出されている。洗練された印象の香水または気付け薬入れである。
*SOLD*

Porcelain Three Graces Sent Bottle and Gilt-Metal Dolphine Stopper
磁器製三美神型香水瓶

c1820 Probably Germany
1820年頃 おそらくドイツ
窯印なし 高さ:6.2cm 硬質磁器 金色合金
 
ギリシアやローマの神話に登場する3人の美しい女神をかたどった香水瓶。女神の髪を飾る花や衣装の花柄が細かく手描きされている。18世紀のエナメル香水瓶に頻繁に使用された金属製のイルカ型の栓がつく。瓶下部は、底面に花が線彫りされた金属装飾で覆われ、磁器製造所の窯印の確認ができないが、18世紀から活躍するドイツの一流工房によると思われる。 
*SOLD*

MEISSEN Porcelain Classical Urn Sent Bottle and Gilt-Metal Bird Stopper
マイセン磁器古代の壺型香水瓶

c1820 Saxony Germany
1820年頃 ザクセン ドイツ
窯印:交差する双剣 高さ:7.5cm 硬質磁器 金色合金
 
女の顔とブルーの花が交互に浮き彫りされた古代の壺型香水瓶。金属製の鳥の栓は、18世紀後期のエナメル香水瓶に頻繁に使用されたものであるが、マイセンの窯印が19世紀のものであることから、1806年にザクセンが神聖ローマ帝国から独立して王国となってからの作品と推定される。 
*SOLD*

J. C. Vickery Carved Agate Seal Sent Bottle
瑪瑙彫刻「海豹(アザラシ)」香水瓶

c1905 London England
1905年頃 J. C. Vickery ロンドン イギリス
刻印 : 585(14金) 6.3 x 3.5 x 2.5cm
瑪瑙 デマントイドガーネット トルコ石 ゴールド
 
赤琥珀色の瑪瑙で彫刻されたアザラシは、金の首輪の蝶番によって首部分が開く香水瓶である。目にはデマントイドガーネットが嵌められている。
 
当時シベリアの豊富な宝石を彫刻して作られた動物作品は、ロシアからの遠来の品としてロンドンやパリ上流階級の好奇心をかきたて、それらを調度品に加えることが流行した。 ロンドンで高級小物を扱っていたVickery商会は、ヨーロッパの皇族からも愛される英国王室御用達の店であった。この作品もおそらくロシアから買い付けたと思われる。右後ろ足ひれ裏側に2mm程度の欠けあり。
*SOLD*