Annexe 2【分室2】〜 香水瓶②

Related Item その他香りの関連作品

 

Daum Nancy Poppy and Stars Glass Spirit Flask (Flacon à Eau de Mélisse)
ドームナンシー芥子と星文ガラス携帯用薬草蒸留酒入れ

c1890 Nancy France
1890年頃 ナンシー フランス 
サイン : Daum≠Nancy 刻印 : ミネルヴァ(純度950)、A P(工房印)
長さ:15.0cm ガラス 銀(一部鍍金)
 
19世紀末アールヌーヴォー期、貴婦人が手提げの中に薬草蒸留酒、主にメリッサ水を忍ばせるためのフラコンである。16世紀ヴェネチアのカルメル会が作り修道会において使用されていたメリッサ水は、薬草の効能としてヒステリーの発作を抑え心をリラックスさせるということで特に女性に好まれた。
 
ブルーの被せガラスにジヴレ(酸の腐食作用でガラス表面を荒らし霧氷模様をつけること)を施し酸化腐食彫りした上に金彩と黒エナメル(グリザイユ)で芥子と星を表したDaum作品。芥子や星の金彩に摩耗が見られるが黒いエナメル彩は残る。Achille Princet工房による銀の蓋とカップには同じく芥子の打ち出し装飾、カップに飾り文字で所有者の頭文字MGが刻まれている。銀カップ内側の鍍金は剥げがなく、通常薄れることの多いガラス底のDaum金彩銘も完全に残っている。ナンシー派と謳われ各地の万博で名を轟かすDaum工房が裕福な婦人向けに制作した作品である。ガラス内部にクラックあり。
 

 

Metal Turtle Small Nécessaire with Scent Bottle and Pins
金属製亀型小ネセセール(気付け薬入れとピン)

c1890 Austria
1890年頃 オーストリア
刻印なし 長さ:6.3cm(カン含まず)
鍍金された金属 トルコ石 色ガラス(?) ガラス
 
亀の甲羅の蓋を開けると気付け薬用の小さなガラス瓶とピン4本が入っている。模造真珠の頭のついたピンは元は6本収納されていた模様。シャトレーヌ(帯飾り)に装着するためのカンを口でくわえた亀の頭部は左右に首を振る仕掛けとなる。遊び心のある変わった作品は高級素材ではない場合も多く、この作品のように中身まで残存することは珍しい。
 

過去の作品

PUIFORCAT Set of Silver-Gilt Perfume Funnel and Powder Scoop
ピュイフォルカ 鍍金銀製香水用漏斗と白粉用スコップ一揃

c1920 Paris France
1920年頃 パリ フランス
刻印:ミネルヴァ(純度950) 工房印 PUIFORCAT. PARIS
長さ:(漏斗)3.9cm (スコップ)7.6cm
 
銀器工房として1820年パリに創業、現在も一流銀器メーカーのひとつとして君臨するピュイフォルカの作品。香水を携帯用の香水瓶に移すための漏斗と白粉(おしろい)をパウダーコンパクトに移すためのスコップの揃いである。銀の酸化を防ぐため、厚い鍍金が施されている。アールデコ期のモダンガールは、趣向を凝らした化粧用コンパクトやヴァニティケースを携帯し、人前で化粧直しをすることをファッションとしていた。オリジナルケース入り。
*SOLD*

Belle Époque Silver /Glass Spirit Flask (Flacon à Eau de Mélisse)
ベルエポック銀/ガラス携帯用薬草蒸留酒入れ

c1900 France
1900年頃 フランス 
刻印 : ミネルヴァ(純度950)、猪の頭(純度800)、判読困難な工房印
長さ:13.2cm ガラス 銀(一部鍍金)
 
19世紀末から第一次大戦までのフランスベルエポック期、貴婦人が手提げの中に薬草蒸留酒、16世紀ヴェネチアのカルメル会が作り修道会において使用されていたメリッサ水は、薬草の効能としてヒステリーの発作を抑え心をリラックスさせるということで特に女性に好まれた。
 
繊細で調和のとれた洗練を特徴とする「ベルエポック」らしい中栓つきのガラス壜は、卓上で転がることのない平たい筒型である。内側を鍍金した銀純度800の蓋と銀純度950のカップは、ルプセ技法により優美で洒落た模様が打ち出されている。銀蓋に成型時の接着部分に僅かなワレあり。
 
王侯貴族を中心に新興ブルジョワで形成する社交界で華やかさを競いあうために失神するほどコルセットで体を締め付けた貴婦人が気付けに一杯の蒸留酒を優雅に嗜むフランスらしいアイテムである。
*SOLD*

Art Nouveau Engraved Glass Dresser Jar with Silver Lid
アール・ヌーヴォー 銀製蓋グラヴュールガラスジャー

Late 19thC France
19世紀後期 フランス
刻印:ミネルヴァ(純度950)、AC(工房印) 高さ:13.5cm
 
透明なガラスにグラヴュールの花が踊る幻想的な化粧台用ガラスジャー。花そのものをデザインした蓋は歪みが無く、ぴったりとジャーにかぶせ閉めることができる。内側を鍍金した純銀の蓋と装飾部分はガラスのグラヴュールと呼応したクリスマスローズ、実用品でありながら彫金職人とガラス職人が見事に連携した工芸品と言える。
 
ガラスは手彫りの花を通して中のものが美しく透けて見えるので、化粧用パフやスポンジだけでなく色のきれいなバスソルトやポプリを入れても良い。19世紀末の女性の化粧台を飾ったガラスジャー、インパクトのあるアール・ヌーヴォーデザインから、貴族ではなく舞台女優の所有物であったかと想像するのも一興である。銀装飾部分に一箇所欠けあり。
*SOLD*

Daum Nancy Wild Strawberry Glass Spirit Flask (Flacon à Eau de Mélisse)
ドームナンシー野苺文ガラス携帯用薬草蒸留酒入れ

c1890 Nancy France
1890年頃 ナンシー フランス 
サイン : Daum≠Nancy 刻印 : ミネルヴァ(純度950)、MV(工房印)
長さ:14.5cm ガラス 銀(一部鍍金) コルク
Ed. SCHENCK & Cie オリジナルケース入り
 
貴婦人が手提げの中に薬草蒸留酒、主にメリッサ水を忍ばせるためのフラコンである。16世紀ヴェネチアのカルメル会が作り修道会において使用されていたメリッサ水は、薬草の効能としてヒステリーの発作を抑え心をリラックスさせるということで特に女性に好まれた。
 
オレンジの被せガラスにジヴレ(酸の腐食作用でガラス表面を荒らし霧氷模様をつけること)を施し酸化腐食彫りした上に金彩とエナメルで野苺の花と実を描き、銀製蓋には同じく野苺の花をレリーフしたDaum作品である。ガラス壜から外すことのできる銀カップ内側の鍍金は一切の剥げがなく、通常薄れることの多いガラス底のDaum金彩銘も完全に残っている。貴重なオリジナルケース入りで未使用と思われる。ラベルから南仏トゥールーズの宝飾店で販売されたことが分かる。ナンシー派と謳われ各地の万博で名を轟かすDaum工房が裕福な婦人向けに制作した作品である。
*SOLD*

Silver /Engraved Glass Spirit Flask (Flacon à Eau de Mélisse)
銀/グラヴュールガラス携帯用薬草蒸留酒入れ

c1860 France
1860年頃 フランス 
刻印 : ミネルヴァ(純度950)、判読困難な工房印
長さ:11.5cm ガラス 鍍金された銀
 
ナポレオン3世時代、貴婦人が手提げの中に薬草蒸留酒、主にメリッサ水を忍ばせるためのフラコンである。16世紀ヴェネチアのカルメル会が作り修道会において使用されていたメリッサ水は、薬草の効能としてヒステリーの発作を抑え心をリラックスさせるということで特に女性に好まれた。
 
リボンと花を繊細にグラヴュールした中栓つきのガラス壜。鍍金を施した銀製蓋とガラス壜から外すことのできる銀製カップは、ルプセ技法によりガーランド(花綱)が打ち出されている。
 
王侯貴族を中心に新興ブルジョワで形成する社交界で華やかさを競いあうために失神するほどコルセットで体を締め付けた貴婦人が気付けに一杯の蒸留酒を優雅に嗜むフランスらしいアイテムである。
*SOLD*