AnnexeⅡ【分室Ⅱ】〜 香水瓶②

Scent Bottle /Flacon à Sel 嗅ぎ壜とフラコン・ア・セル

Cut Glass Sent Bottle and Porcelain Love Birds Stopper
磁器製ラブバード型栓つきカットガラス香水瓶/気付け薬入れ

Late 18thC Probably England
18世紀後期 おそらくイギリス
刻印窯印なし 長さ:5.9cm 軟質磁器 金色合金 ガラス
 
キスする二羽の小鳥の磁器製栓付きのカットガラスの香水瓶である。元来、鎖で繋がっていた金色金属の壜の口と栓下部は、鎖が切れた状態である。栓の鳥は、東洋磁器への憧れから磁器製作を模索していた18世紀ヨーロッパの軟質磁器で、「トイ」と呼ばれるミニチュア作品を手掛けていたイギリスのチェルシー窯あたりのものと思われる。
 
オリジナル鮫皮ケース入り。鳥の羽に一箇所欠け有り。
 

G. Boutigny Limoge Enamel Scent Bottle
G. Boutigny リモージュエナメル香水瓶 

Late 19thC France
19世紀後期 フランス
刻印なし 革製ケースに"G.BOUTIGNY PALAIS ROYAL PARIS"のラベル
長さ:6.3cm エナメル 鍍金された銀 ガラス
 
森でリュートを奏でる乙女を容器全体にエナメルで描いた小さな携帯用の香水瓶。鍍金された銀製蝶番のついた蓋を開けると小さなガラスの中栓が現れる。エナメル細工の盛んなリモージュ地方で作られた品を、パリの高級商店街パレ・ロワイヤルに店を構える G. Boutignyが販売したものである。G. Boutignyは、高級なガラス陶磁器などを扱っていた。
 
オリジナル革製ケース入り。
 

HERMÈS Silver Handbag Perfume Bottle
HERMÈS 銀製ハンドバッグ用香水瓶

c1960 Paris France
1960年頃 パリ フランス
刻印:蟹(純度800) 工房印 グラヴュール:HERMÈS PARIS
長さ:5.0cm 銀
 
1726年から15年間発行された、当時16歳のルイXV世の肖像を描いたエキュ銀貨を用いて作られた銀製の香水瓶。エルメスは、1930年頃からフランスの古い銀貨を加工した銀製品を制作しており、この作品もそのひとつである。液体が漏れてハンドバッグを汚さぬよう、ネジと蝶番を駆使した密閉度の高い特別仕様。
 

Bohemian Ruby Overlay Glass Scent Bottle with Silver Ring & Chain Attachment
ボヘミアン銅赤ガラス/銀製指輪と鎖付き香水瓶または気付け薬入れ

Late 19thC Bohemia
19世紀後期 ボヘミア(現チェコ)
刻印:猪の頭(純度800) 壜の長さ:9.8cm 銀 ガラス
 
滴型扁壷状のガラス瓶は、ボヘミアンガラスの特徴である「銅赤」と呼ぶ酸化銅によって生成されるルビー色の被せガラスを、グラヴュールで森の中を走る猟犬とウサギを見事に陰刻した作品である。元の所有者Minaの名が刻まれた銀製蝶番の蓋を開けると小さな銅赤ガラスの中栓が現れる。
 
フランス銀刻印から、ボヘミアで制作されたガラスをフランスに輸入し銀細工を施したものと思われる。鹿や風景を彫ったボヘミアンガラスは数多いが、女性を意識したウサギの意匠は珍しい。
  

Gold Mounted Clear Glass Flacon à Sel with Gold Stopper
18金装飾ガラス気付け薬入れ(フラコン・ア・セル)

Middle 19thC France
19世紀中期 フランス
刻印 : 鷲の頭(18金) 判読困難な工房印 長さ:10.1cm
イエローゴールド ガラス コルク
 

滴型扁壷状のガラス瓶は、花文様のグラヴュール細工の18金の蝶番の蓋を開けると小さな金とコルクの中栓が現れる。ガラスではなく18金の中栓は非常に珍しい。ロココ以降、貴婦人はフラコンや化粧品、お針道具を綺麗な小袋におさめて身につける事が大切なおしゃれのひとつであった。
 

Maison Alphonse Giroux Gold Double Ended Scent Bottle (Flacon Double)
メゾン・アルフォンス・ジルー 18金双口香水瓶 (フラコン・ドゥブル)

c1870 Paris France
1870年頃 パリ フランス
刻印:鷲の頭(18金) グラヴュール:Alphonse Giroux Paris 
長さ:12.5cm 18金(2カラー) ガラス
 
別に作った二つのガラス瓶を溶着して作られるダブルエンドの香水瓶は、フラコン・ドゥブルとも呼ばれる。ガラスの中栓のついた蓋側に香水、裏にガラスの円盤が仕込まれたバネ仕掛けの蓋側に気付け薬(セル)を入れる仕様となる。この作品はセルの揮発性の香気を逃がさないよう仕込まれた円盤内部に、Alphonse Giroux Paris と刻まれている。
 
19世紀初頭から高級骨董小物を扱っていたメゾン・アルフォンス・ジルーは、1860年代に所有者が変わり、家具を含め、よりプレステージの高い作品を取り扱うようになる。
 
オリジナル革製ケース入り。
 

過去の作品

Bohemian Garnet Mounted Cut Glass Scent Bottle
ボヘミアンガーネット/カットガラス香水瓶

Late 19thC England
19世紀後期 イギリス
刻印なし 長さ:6.4cm ガーネット 金張りされた銀 ガラス
 
18〜19世紀にかけチェコのボヘミアの名産であったガーネット(柘榴石)は、苦礬柘榴石(パイロープ)に種別され、暗赤色が蝋燭の明かりにかざすと炎のように赤く輝く特徴を持つ。現在ボヘミア地方ではガーネットはほとんど産出されず非常に貴重である。
 
ヴィクトリア時代のボヘミアンガーネット作品に多く見られる金張りの銀製蝶番の蓋を開けるとさらに小さなガラスの中栓が現れる。
*SOLD*
 

Silver Mounted Clear Glass Flacon à Sel with Glass Stopper
銀装飾ガラス気付け薬入れ(フラコン・ア・セル)

Middle 19thC France
19世紀中期 フランス
刻印 : 猪の頭(純度800) 長さ:10.5cm 銀 ガラス
 
滴型扁壷状のガラス瓶は、グラヴュールが施された銀の蝶番による蓋を開けるとさらに小さなガラスの中栓がつく。現状この栓は固く密閉し開けることができないが、当時の炭酸アンモニウムの結晶の気付け薬が入った貴重な資料である。
*SOLD*