Annexe 2【分室2】〜 香水瓶②

Vinaigrette /Pendant Bottle ヴィネグレットとペンダント式香水瓶

 

Carved Nut Fruit Basket Pendant Scent Bottle
堅果(木の実)彫刻フルーツバスケット ペンダント香水瓶/気付け薬入れ

Late 18thC France
19世紀後期 フランス
刻印なし 高さ:2.5cm(栓の先端まで) 堅果、ゴールド(18金)
 
南米などの植民地からヨーロッパに渡った珍しい木の実、固い殻を持つ堅果の殻を緻密に彫刻してフルーツバスケットを表した香水瓶。丸カンにチェーン等を通しネックレスやシャトレーヌ(帯飾り)から下げて着用したものである。丸カンに連結するゴールドチェーンの一本は、栓を開けても紛失しないよう三つ葉型の摘みに繋がっている。革命前後からナポレオン帝政頃の作品。
 

 

Gold Mounted Cut Glass Vinaigrette
ゴールド蓋付きカットガラスヴィネグレット(気付け薬入れ)

Late 19thC England
19世紀後期 イギリス
刻印なし 高さ:1.8cm ゴールド(15金以上) ガラス
 
小さなカットガラスの瓶、獅子の紋章を刻んだゴールドの上蓋を開けると気付け薬用に穴を空けたゴールドの内蓋が現れる。ロココ文化の18世紀以降、フラコンや化粧品、お針道具を綺麗な小袋におさめ身につける事は、貴婦人にとって大切なおしゃれのひとつであった。花とリボンをあしらっているが女性向けでは珍しい蓋の図像の、リガーダント(顔と体の向きが逆方向)のライオン・シールド(盾)は、所有者の女性の家柄または家訓に由来すると思われる。
 

 

Silver Skull Pendant Vinaigrette
銀製髑髏ペンダントヴィネグレット(気付け薬入れ)

c1900 Probably Austria
1900年頃 おそらくオーストリア
刻印なし 長さ:3.2cm(丸カン含まず) 銀 ガーネット
 
髑髏をかたどった珍しい銀製ヴィネグレット。ただし内側に格子状の蓋はあるものの気付け薬用ヴィネグル(酢)の酸による腐食防止の鍍金が施されていないことから、気付けのための実用品ではなく、シャトレーヌ(帯飾り)やウォッチチェーンを飾るノベルティ(目新しく珍しいの意)アクセサリーとして作られたものと思われる。チェーンを付けてペンダントとして着用できる。 
 

 

Neo-Renaissance Silver Gemset Pendant Scent Bottle
ネオルネサンス 宝石と天然真珠の銀細工ペンダント香水瓶

c1870 France
1870年頃 フランス
刻印:蟹(純度800) 長さ:12.3cm(カン含まず) 
真珠 サファイア エメラルド トパーズ ガーネット トルコ石 銀(一部金張り)
 
19世紀中後期のヨーロッパでは、歴史主義の影響で過去の芸術様式が再評価され、ネオゴシックやネオルネサンス様式が流行した。宝飾品の分野も同様にルネサンス期の画家ホルバインのデザイン画を基としたホルバイネスクと呼ばれる作品が生まれた。
 
色とりどりのカボションカットの貴石やバロック真珠で装飾した銀製の香水瓶は、カンにチェーン等を通しネックレスやシャトレーヌ(帯飾り)から下げて着用したものである。表裏異なる色石を嵌め込んだ両面仕立てのフラコン(瓶)は、着用の愉しみが倍増する大変手の込んだ作品である。 
 

 

Champlevé Enamel Pendant Scent Bottle
シャンルヴェ エナメル ペンダント香水瓶

Middle 19thC France
19世紀中期 フランス
刻印なし 長さ:5.1cm(カン含まず) エナメル 金色合金
 
おはじき形の薄い円形扁壷状の容器は、黒エナメルに金色の唐草文様が映えるエレガントで洗練されたデザインである。文様の細工は、下地(胎)を彫り下げ作った金属の窪みに、彫り下げていない部分と同じ高さまでエナメル(七宝)を焼き付け研磨することの繰り返しで埋め、象嵌効果を生み出すシャンルヴェ技法である。唐草部分は細かくグラヴュールが施されている。
 

過去の作品

Cut Glass Pendant Bottle (Flacon à Sel)
カットガラスペンダント フラコン・ア・セル

Middle 19thC France

19世紀中期 フランス
刻印なし 長さ:3.8cm 鍍金された金属 ガラス

 

底面までカットした円錐状のガラス瓶は、鍍金された金属製のネジ蓋を開けると小さなガラスの中栓が現れる。現状この栓は固く密閉し開けることができないが、当時の炭酸アンモニウムの結晶の気付け薬が入った貴重な資料である。上部のカンにチェーン等を通してネックレスやシャトレーヌ(帯飾り)から下げる、身につけるためのフラコン・ア・セルである。
*SOLD*

Gold REGARD Book Vinaigrette
リガード本型ヴィネグレット(気付け薬入れ)

c1830 England
1830年頃 イギリス
刻印なし 縦 1.7cm(チェーン含まず) 横 2.4cm 厚さ 0.5cm
(R)ルビー、(E)エメラルド、(G)ガーネット、(A)アメジスト、(R)ルビー、(D)ダイヤモンド、3カラーゴールド(15金以上)
 
本型のヴィネグレットは、3色ゴールドのルプセ技法(打ち出し)によって花をレリーフし、愛の言葉 "REGARD"を表す6つの宝石が嵌め込んでいる。海綿をおさめる内側の、グラヴュール装飾された格子状の蓋もゴールド製で、ヴィネグル(酢)の酸による腐食を防いでいる。
 
愛の言葉がこめられた華奢で繊細なヴィネグレットは、ジョージ王朝時代、淑女が贈り主を想い浮かべつつマフの中に忍ばせたのであろうか。チェーン部分にカンを通しペンダントとして着用するにもふさわしい作品である。
*SOLD*

Silver Chick Pendant Scent Bottle
銀製ひよこ型ペンダント香水瓶

Late 19thC England
19世紀後期 イギリス
刻印 : 判読困難な刻印 長さ:4.4cm 銀 ガラス
 
ひよこの頭型の銀製ネジ蓋がついた卵形のガラス瓶。蓋内側にはコルクが貼られている。カンにチェーン等を通してネックレスやシャトレーヌ(帯飾り)から下げる、身につけるための香水瓶である。
 
国外に輸出されたため英国銀刻印は無いが、品質の高いひよこの表現から、イギリス製ノベルティ(目新しく珍しいの意)の銀製品で定評のあるSampson Mordan工房の作品と思われる。
*SOLD*

Viennese Enamel Round Vinaigrette by Ludwig Pollitzer
Ludwig Pollitzer ヴィエナエナメル円形ヴィネグレット

c1866 Vienna Austria
1866年頃 ウィーン オーストリア
刻印 : ウィーン銀刻印(純度800以上)と工房印 直径:2.4cm エナメル 銀(一部鍍金)
 
気付け薬用のヴィネグル(酢)を含ませた小さなトルコ産の海綿をおさめる、内側の格子状の蓋は酸による腐食を防ぐため鍍金が施されている。貴婦人が人前でこれを嗅ぐ時、上蓋裏に描かれたケルビム(天使)が覗く洒落た意匠となっている。チェーンを付けてペンダントにできる。 
*SOLD*