Doll〜人形図録10

Chinese Carved Ivory Doctor's Lady
清朝象牙彫刻診療用女性像「ドクターズレディ」


Late 19thC (Qing Dynasty) China
19世紀後期 清朝後期 中国
長さ:24.2cm
 
 片肘をついて横たわる髪を後ろに結った纏足の高貴な中国女の裸体像は「ドクターズレディ」と呼ばれ、明から清朝時代の後宮において男性医師が女性を診療する際、道徳的な慎み深さから、女性患者の体を直に視たり触れたりする代わりにこの像を使って具合の悪い箇所を指し示す目的でつくられた。
 
 通常サイズは10〜25cmと云われ、この作品は最も大きいもののひとつである。女の体や顔の表情の官能的な彫刻表現に加え、象牙の密度ある重みの存在感は圧倒的で、診療用道具というより美術工芸品と呼ぶにふさわしい。比較的時代の若い欧米向けの土産品的なドクターズレディは市場に多く出回っているが、1900年以前の作品は稀少である。