Archives アーカイヴスⅤ 【Miscellaneous〜その他】

1920's English FELIX THE CAT 33cm
1920年代 イギリス製フィリックス・ザ・キャット 33cm

1920's England
1920年代 イギリス
身長:約33cm フェルト
 
フィリックス・ザ・キャットは、ウォルト・ディズニーのミッキーマウスが誕生するより前の1919年の短編無声映画に登場した白黒のアニメーションの黒猫で、映画史上初の人気アニメキャラクターである。1920年代欧米において子どもから大人までを魅了していたフィリックスは、陶器や玩具、ポストカードなど多岐に渡るキャラクターグッズが作られ、ぬいぐるみもそのひとつとなる。
 
イギリスで作られた黒いフェルト製のフィリックスは、ペイントしたグラスアイにブーツボタンの鼻、コミック版"Felix Kept on Walking"で有名な後ろ手を組んで歩くポーズが取れるようワイヤーの骨組みを内蔵している。原画とは異なる悪魔っぽい奇妙な姿はへんてこで憎めない。
 
オリジナルのオーガンンジー・リボンは劣化が激しいため当店で同じペールピンクのアンティークリボンに交換済み。全体は良好な状態。
*SOLD*

1960's J. P. M. (Jouets-Paris-Massy) 2 Teady Bears 42cm
1960年代 J. P. M. 社 テディベア2体

1960's France
1960年代 フランス
ホワイトベアのみハート形タグ
身長:約42cm 化繊のファーとヴェルヴェット 
 
1902年ルーズベルト大統領の逸話から生まれたテディベアは、シュタイフをはじめとするドイツ、イギリス、アメリカの玩具会社によって続々と生産され、現在も子どもの相棒として親しまれている。一方フランスはぬいぐるみを作る会社や工房が少なく、ヴィンテージと呼べるフレンチベアは数が少ない。
 
J. P. M. は1950~70年頃にかけてパリ近郊のマシー (Massy)で活動した玩具会社である。J. P. M. のベアは、作りが大雑把で左右の不揃いや歪みなどの個体差があるが、それがかえって近年コレクターの間で力の抜けた個性として人気となっている。
 
プラスティックの鼻を付けた2匹はリボンを含め全てオリジナル。ホワイトベアは耳の内側、手の平と足の裏、グラスアイがブルーとのコンビ、ブラウンベアはそれらがレッドとのコンビである。ともに良好な状態。
*SOLD*

Japanese Hand-Plaited Rush Watch Chain with Tusk Fob
明治獣牙フォブ付き藺草時計鎖

Late 19thC (Meiji) Japan
19世紀後期 明治時代 日本
刻銘なし 長さ:27.0cm
 
明治の初め文明開化にともない外国商館が日本に懐中時計を輸入すると、舶来の時計とチェーン(特に金の)を身に着けることが、富裕層の者にとって大変なステータスとなった。精工舎などが国産の懐中時計製造に着手し始めた明治時代半ば19世紀後期、既にウォッチチェーンは、江戸時代から刀装金具で高い技術を誇る日本の金属工芸の職人によって作られ海外へ輸出、欧米の万国博覧会にも出品された。また茶道具や刀剣の飾り紐として伝統のある組み紐も時計鎖として好まれた。
 
鎖のコマをひとつずつ藺草(イグサ)を手で編み作った珍しい輸出向けの日本製ウォッチチェーンである。楕円形の獣牙のフォブは線彫りで美人(表)と蝶(裏)が刻まれている。天然樹脂(セルロイド)のTバーには金属製の小さな亀の飾りが付いている。安っぽい極東からの土産品とでも思われ、頻繁に使用されなかったのであろう。時計の重さに耐えるか不安なほど華奢で軽い鎖であるが、1世紀以上の間残存できる職人技と質の高さに驚かざるを得ない。
*SOLD* 

Alfred DUNHILL Mahogany and Marquetry Tray
アルフレッド・ダンヒル マホガニー/マルケトリー・トレイ

c1930 France
1930年頃 フランス 30.8 x 52.5cm
刻銘:HEROUARD、ALFRED DUNHILL PARIS
木 獣牙
 
マホガニーの元板に様々な木目や色合いの木を象嵌し、中世の衣裳で身を包んだ貴婦人を宮廷道化師が先導する場面をマルケトリーで作り上げた、飾り盆または食後酒とともにパイプや葉巻こだわりの喫煙具を置くためのトレイである。英国紳士に向けた高級な自動車アクセサリーや喫煙具の販売で成功を収めていたイギリスのアルフレッド・ダンヒル社が1920年代、ニューヨーク店に続きパリにオープンしたダンヒル・パリの刻銘入り。
 
盆のおもて面に刻まれたサインは、20世紀前半フランス紳士に絶大なる人気を誇った男性誌 "La Vie Parisiennne(ラ・ヴィ・パリジェンヌ)"の表紙イラストで有名なフランス人挿絵画家 Chéri Hérouard(シェリ・エルアール 1881-1961)のもので、美女と道化師(愚者)はエリアールが好んだ主題のひとつで、"Amour et Folie(恋と狂気)"を意味する。
 
若干のスクラッチあり。
*SOLD*

Pair of Obstetrical Forceps by Maison Lüer
Maison Lüer 黒檀ハンドル産科鉗子

c1850 Paris France
1850年頃 パリ フランス 
刻印:LUER A PARIS. 長さ:28.0cm
 
ヨーロッパの助産は、17世紀後期に産科鉗子が考案されて以降、民間療法に長けた産婆(女性)から外科や解剖学の知識をもつ男性へと移行した。助産学を確立した男性医学者らは、裕福な貴族の女性の出産に立ち会い一大ビジネスを築くようになる。
 
Maison Lüerは、ドイツ出身のGeorg Wilhelm Amatus Lüer(1802-1883)がパリに渡って開いた手術器具を製造販売する有名専門店であった。後継者である娘と彼女の夫の代においても多くの器具を開発し大きな成功をおさめた。
 
鉗子分娩の際に胎児の頭を挟んで引き出すためのナポレオン3世時代の鉗子である。本来は医療器具であるが、黒檀のハンドルと鍍金が残る彎曲のある鉗子葉は、時を経て単独で観た時オブジェとして美しい。欧米では19世紀の医療関係のメディカル・アンティークは蒐集家に人気が高い。
*SOLD*

HERMÈS "Caduceus" Silver Desk Paper Clip by Ravinet d'Enfert
エルメス/ラヴィネ・ダンフェール「カドゥケウス」銀製デスク・ペーパークリップ

1950's France
1950年代 フランス
刻印:ミネルヴァ(純度950、本体)、猪の頭(純度800、意匠部分)、R D(工房印)、HERMES PARIS
長さ:10.3cm
 
ギリシア神話オリンポス12神の一柱ヘルメスは、多面性を持つユニークな青年神である(ローマ神話のメルクリウスと同一視される)。神々の伝令使として多方面を駆け巡るヘルメスが携える杖カドゥケウスは、天を表す双翼と地を表す二匹の蛇で構成され、現代では商業や交通、また医業のシンボルである。
 
神ヘルメスの名を持つティエリー・エルメス(Thierry Hermès 1801-78)が起こしたメゾン・エルメスが、銀工房ラヴィネ・ダンフェールと制作したヘルメスの杖のペーパークリップである。旋盤による規則的な模様と対照的に曲線を描く翼と蛇の鍍金したカドゥケウスが印象深い。
 
19世紀半ばまで遡る歴史を持つパリの銀工房ラヴィネ・ダンフェールは、カトラリーを中心とした銀食器に定評があり数々の万国博覧会で賞を獲得した。1950年以降はエルメスと手を組みエルメスのメゾンで販売する銀や銀メッキ製の文房具や喫煙小物の制作に携わった。エルメスの世界観を象徴する馬やゴルフボール、ロープをモチーフとした彼らの小物作品は、現代でもヴィンテージ・エルメスとして世界中で人気を誇る。ラヴィネ・ダンフェールは1984年に活動を停止、Ercuis(エルキューイ)に吸収される。
 
銀純度950の贅沢な高級文房具。オリジナルケース入りの珍しいヴィンテージ作品である。
*SOLD*

Rosewood "Guillotine" Cigar Cutter
ローズウッド『ギロチン』シガーカッター

c1900 France
1900年頃 フランス
高さ:34.5cm 木 金属
 
フランス革命時、受刑者の苦痛を軽減する人道的配慮を提唱するジョゼフ・ギヨタン博士(Joseph Ignace Guillotin 1738-1814)によって、それまで主流であった絞首刑の代わりに採用された断首装置がギロチンである。フランスでは歴史的に罪人は晒しものとして公開処刑され、民衆にとって処刑見物は娯楽のひとつであった。ギロチン刑が見せ物となった19世紀のフランスでは、席を確保し子連れで見物する者もおり、縮小サイズのギロチンが子ども向け玩具として販売された。
 
ギロチン模型のシガーカッターは、富裕層の間でシガー(葉巻たばこ)が根付く19世紀中期以降多く制作された。この作品は、銘木ローズウッドで土台と柱はもちろん傾斜台と首桶を作り、真鍮とスチールで錘を備えた刃と首枷が作られている。このカッターを前に蒸留酒と葉巻を嗜むフランス紳士の姿を想像しながら、断頭台の露と消えた王妃アントワネットに思いを馳せるも一興のユニークな作品である。
*画像の人形は付属しません
*SOLD*

3 Pairs of Embroidered Silk and Cotton Lotus Shoes
清朝 刺繍絹地/手描き木綿地/刺繍木綿地 弓鞋(纏足用の靴)三組

Early 20thC (Qing Dynasty) China
20世紀初頭 清朝後期 中国
靴のサイズ:(手前)約10.5cm (後ろ左) 約14.5cm (後ろ右) 約12.5cm
 
晩唐(9世紀末)より纏足の習慣が始まった中国ではおよそ千年の間、幼少時から足指を折り曲げ布で巻き成長を止めさせた小足が女性の性的魅力とされた。変形した足の形が蓮のつぼみに似ており、3寸(約9.1cm)以下が理想サイズとされたことから「三寸金蓮」と呼ばれた。
 
纏足用の靴を弓鞋(キュウアイ)と呼ぶ。現存しているものは、繻子に刺繍やビーズの縫い取りのある比較的上物で着用の機会が少なかったものとなる。
 
つま先にガラスビーズをひと粒あしらった小さな絹靴は、ヒールはなく靴底まで派手に刺繍を施した手の込んだものである。蝋引きを施した赤い木綿地の靴二組は、雨天用である。特徴的な形状の赤と黒の靴は中国北部の山東型ブーツで、押絵風の花の装飾と、側面は手描きの小花である。もう一方の靴は、踵の垂れ布と編み上げ糸が片方欠損しているが、蝋引きで硬くなった布への難しい刺繍にもかかわらず蝶や鳥の模様が全ての側面で異なる凝ったもので、重ねた布から模様を透かし出した靴底も珍しい。
*SOLD* 

HERMÈS Veau Doblis Leather Jewellery Box
エルメス ヴォー・ドブリス ジュエリーボックス

c1930 Paris France
1930年頃 パリ フランス
刻印:HERMÈS PARIS 14.0 x 10.5 x 8.0cm
 
たまご色に染め上げたシルク・ヴェルヴェットを思わせる感触の、希少な革素材ヴォー・ドブリスを張り真鍮の鋲で装飾を施したジュエリー収納用ケース。19世紀の旅行用トランクを模して蓋の上部が丸くカーブしており、両側面には真鍮のハンドルがついている。底部は2本のマホガニーの板にそれぞれ2つの真鍮の足がつき、底の皮が汚れることのないよう工夫されている。内部は2段で、薄紫色の絹地に山吹色でポイント刺繍されている。同色の小さなクッションが一段ずつに付く。オリジナル鍵付き。 
*画像に使用しているブローチは付属しません
*SOLD*

Maison Philippe Latour Girl's Fancy Dress Shoes
メゾン・フィリップ・ラトゥール 仮装用少女靴

c1875 France
1875年頃 フランス
靴のサイズ:約16cm 革 シルクサテン 真鍮 ガラス 紙
 
ヴェネツィア風の仮面舞踏会(マスカレード)は、身分や素性を仮面で隠し快楽を貪る王侯貴族の間で18世紀末までヨーロッパ全土で流行したが、市民革命後は風紀の乱れが問題視され控えられた。1840年頃から流行する仮装舞踏会(ファンシードレスボール)は、新興ブルジョワを含む上流階級の私邸で催され、主催者が提示するテーマに則した扮装で参加する客らが、自分の奇抜さとセンスの良さを競い合った。また写真の普及に伴い、奇矯な仮装で肖像写真を撮影することも流行した。仮装舞踏会は現代のコスプレイヤーに通じる。
 
当時女性や子どもの仮装で人気のあった道化師コスチュームの子供靴である。ペールブルーのシルクサテンに真鍮の鈴とミルクガラスのボタンが縫いとめられている。可愛いクロモスカードでも有名なMaison Philippe Latourは19世紀に活躍していたパリの靴店である。オリジナルのクロモスカードと厚紙ボックスが付属する。歩行前のベビーシューズと違い残存数の少ない少女用、さらに珍しい仮装用の19世紀のオブジェとなる。
 
シルクに経年のスレ、傷みあり。
*SOLD*

Double Bottomed Erotica Tabatière (Snuff Box)
木製二重底秘画タバティエール(嗅ぎ煙草入れ)

Late 18thC France
18世紀後期 フランス
サインなし 直径:8.0cm
 
新大陸からヨーロッパに煙草がもたらされた時、葉に火を着けて煙を吸い込む喫煙ではなく粉末を鼻で吸い込む嗅ぎ煙草が広まった。嗅ぎ煙草は18世紀に流行の頂点を迎え、上流階級の間では嗜みの作法も確立し、その容器(タバティエール)も様々な材質、細工で作られた。
 
このタバティエールは、外見はシンプルであるがべっ甲の二重底のなかに銅版画による秘画が隠されているという洒落たつくりとなっている。
*SOLD* 

July Revolution "Sun and Moon" Lacquer Tabatière (Snuff Box)
フランス7月革命「太陽と月」ラッカー・タバティエール(嗅ぎ煙草入れ)

c1830 France
1830年頃 フランス
サインなし 直径:8.0cm
 
新大陸からヨーロッパに煙草がもたらされた時、葉に火を着けて煙を吸い込む喫煙ではなく粉末を鼻で吸い込む嗅ぎ煙草が広まった。嗅ぎ煙草は18世紀に流行の頂点を迎え、上流階級の間では嗜みの作法も確立し、その容器(タバティエール)も様々な材質、細工で作られた。
 
東洋漆器への憧れから生み出された黒塗ラッカーの円形木製ケースは、陽と陰の属性を表す太陽と月を描いた銅版画が転写されている。
 
1830年3月のフランス議会で国王シャルル10世の圧政に対する文書提出に賛成の221議員(Adress des 221)の氏名が太陽の周りに、反対の181議員の氏名が月の周りに記されている。まもなく7月革命が起こり、シャルル10世は亡命、王位を失う。当時の議員のひとりまたはブルジョワ自由主義者が所持していたと思われる作品。
*SOLD*

WMF Silvered-Metal Pouch and 2 Cats Money Box
WMF社 銀メッキ「巾着と二匹の猫」鍵付き貯金箱

c1900 Germany
1900年頃 ドイツ
刻印:工房印、ALEMANIA 高さ:7.1cm
 
WMF(Württembergische Metallwarenfabrik)は、食器等のメタルウェア(金属製品)を製産する会社として1853年に創立した。優良企業との合併、そして当時新しかった電気による銀メッキの技術によって、1900年頃にはユーゲントスティール、アールヌーヴォー様式の金属製品で世界的に名を馳せ、多くの作品を各国に輸出するようになった。
 
この頃一般的な小銭入れであった紐付き巾着袋に猫が二匹戯れているデザインの貯金箱は、上部に硬貨の挿入口があり、底部の鍵で開閉する小さな扉から硬貨を取り出す仕様となっている。WMFにしては珍しい原型であるが、猫の表情やポーズ、毛並みや巾着の皺などの細かな表現と、機能的に申し分のないつくりは、さすがにドイツ一流メーカーの作品といえる。
*SOLD*

Chinoiserie Rosewood and Marquetry Tray
シノワズリ ローズウッド/マルケトリー飾り盆

1836 France
1836年 フランス 18.5 x 27.5cm
サイン:I C 1836(グラヴュール) 木 真鍮 白蝶貝
 
シノワズリは、17世紀半ば東インド会社(VOC)がヨーロッパにもたらす東洋の品の影響から生まれた中国趣味の装飾様式である。当初は中国の工芸品を単純に模倣していたものが、ロココ最盛期には東洋と西洋の要素が融合され、本来の中国美術とは異なる独自の様式が確立された。
 
ローズウッドの元板に、様々な色合いの木、真鍮、白蝶貝を象嵌して中国式の庭園風景をマルケトリーで作り上げた飾り盆は、盆自体が小振りであるため非常に細かく丁寧な細工である。象嵌された人物の顔や鳥は小さな白蝶貝や真鍮のパーツをさらに線彫りして表現している。
 
盆に刻まれている1836年は、フランス最後の国王ルイ・フィリップの復古王政時代であり、ナポレオンによって建設が始まったエトワール凱旋門が30年かけて完成した年である。
*SOLD*

White Cat Toy with Glass Eyes
ガラス眼の白猫玩具

Middle 20thC Probably France
20世紀中期 おそらくフランス
サインなし 高さ:20.7cm パピエ・マシェ(張り子) ウサギの毛皮 ガラス
 
19世紀半ばから主にフランスにおいて機械仕掛けの人形や動物が作られるようになる。この時代の鳥や動物のオートマタ(自動人形)は、「動く剥製」と呼べるほどのリアルさを追求した、児童向けのぬいぐるみとは明らかに性質の異なる工芸品であった。その様な下地があるためか20世紀半ばまでフランスやドイツでは本物の毛皮張りの動物玩具がつくられた。
 
この猫は機械仕掛けではなく頭を押さえると啼き笛で鳴く簡単な仕様である。つくりは1900年頃の自動人形職人ドゥカン(Decamp)作品を思わせるが鼻に使われている樹脂や、人絹のリボン等比較的新しいものと思われる。毛皮の劣化もなく良い状態である。
*SOLD*

Pairs of Embroidered Silk Lotus Shoes
清朝絹刺繍弓鞋(纏足用の靴)

Late 19thC (Qing Dynasty) China
19世紀後期 清朝後期 中国
靴のサイズ:(右)約9.5cm (左)約10.5cm
 
晩唐(9世紀末)より纏足の習慣が始まった中国ではおよそ千年の間、幼少時から足指を折り曲げ布で巻き成長を止めさせた小足が女性の性的魅力とされた。変形した足の形が蓮のつぼみに似ており、3寸(約9.1cm)以下が理想サイズとされたことから「三寸金蓮」と呼ばれた。
 
纏足用の靴を弓鞋(キュウアイ)と呼ぶ。現存しているものは、繻子に刺繍やビーズの縫い取りのある比較的上物で着用の機会が少なかったものとなる。
 
絹地に経年による傷みがあるほかは良好な状態。
*SOLD*

Cupid's Quiver Pencil
クピドの矢筒型携帯ペンシル

Late 19thC France
19世紀後期 フランス
刻印:DEPOSE 長さ:8.8cm 白色金属(錫や鉛の合金)
 
恋の弓矢を放つクピドの矢筒型の、指輪付き携帯ペンシル。舞踏会の手帖(カルネ・ド・バル)と共に貴婦人が携えたものである。同時代の携帯用ペンシルは懐中時計の鎖(フォブ)に提げる紳士用が主であるのに対し、ロマンティックな意匠の女性向きのものは珍しい。
 
成型時の接着部分に僅かな割れ有り。
*SOLD*

Georgean Iron Handcuffs and Key
ジョージアン鉄製手枷と鍵

c1800 Thomas Griffin & Co. Birmingham England
1800年頃 トーマス・グリフィン& Co. バーミンガム イギリス 
刻印:GRIFFIN Co 本体:13.8cm x 7.5cm 鍵 長さ:9.5cm
 
八の字型の鉄製手錠。アンティーク手錠のレプリカは主に蒐集家の多いアメリカで出回っているが、この手錠は刻印のあるオリジナル、鍵付きである。錠の機能を含め、つくりが素晴らしい。
 
合併を繰り返したのちに1937年に設立し現在に至る、世界の手錠蒐集家の間で最も有名なメーカー、ハイアット社(Hiatt Co. & Ltd.)の原点が、18世紀末に英国のバーミンガムでトーマス・グリフィンの起こした会社に遡ることはあまり知られていない。その意味で非常に重要な品といえよう。
 
参考資料:[Handcuffs.Org]
http://www.handcuffs.org/hiatt/index.html
*SOLD*

French Memorial Altar Box
フランス箱型追悼祭壇

Late 19thC France
19世紀後期 フランス 高さ:18.5cm
 
故人の毛髪を形見として今は亡き人が生きていた証とする慣習は多くの文化圏で見られる。特に細く柔らかい髪質の人種が多いヨーロッパでは、18世紀の北欧を起源として毛髪自体を細工する工芸の域にまで高めた。それらは毛髪細工(ヘアワーク)と呼ばれ19世紀欧米では、遺髪でモーニング(追悼の)ジュエリーに仕立てて身に着けたり、リース(花環)を作って額装し部屋に飾ったりして故人を偲んだ。
 
手作りの小さな赤い箱型の祭壇は、様々な素材やメッセージで飾った亡き子の写真と遺髪を封じ込めている。写真がまだ珍しくて高価であった当時、子どもの遺影が残された稀な例であり、遺族が愛する我が子の姿を永遠に残して死を悼むために作った品である。"EGO SUM ANGLUS DOMINI"主の御使いとなった男児、"PAX(平和)"の上に貼られた小さな母親の写真が、息子の旅立ちを見守るかのようである。
 
かつてのスペイン植民地ペルーやメキシコの箱型祭壇「レタブロ」から着想したと思われる遺物箱であるが、19世紀のフランス製では珍しい手法である。素材を立体的に貼付けて額装する現代アーティストのアッサンブラージュ作品を彷彿させるユニークな珍品である。
*SOLD*