AnnexeⅥ【分室Ⅵ】〜シール(印章)

Fob Seal フォブシール

Parcel-Gilt Silver Putto Riding a Dolphin Fob Seal
部分鍍金銀製「イルカに跨るプットー」フォブシール

Late 19thC Continental
19世紀後期 ヨーロッパ(英国を含まない)
刻印なし 高さ:2.7cm(カン含まず) 印面:1.8cm
銀(一部鍍金) グリーンカルセドニー
 
イルカは、ギリシア神話において海の神ひいては航海者の守護神と関連する重要な聖獣であり、ヨーロッパでは紋章や装飾芸術の意匠として好まれる。イルカに跨る青年や子どもの姿は、若き海神パライモンやクピド(有翼)などを表し、古代より美術工芸の主題として親しまれてきた。
 
イルカに跨るプットーを銀細工でかたどったフォブシールである。愛嬌ある厚い唇のイルカが可愛らしい。印面は何も刻まれておらず未使用である。
 

Parcel-Gilt Silver Wild Boar Head Fob Seal
部分鍍金銀製イノシシ頭部 フォブシール

c1860 France
1860年頃 フランス
刻印:猪の頭(純度800) 高さ:2.8cm(カンを横にして) 印面:2.2cm
銀(一部鍍金) ガーネット 縞瑪瑙
 
ギリシア神話や北欧神話など多くの文化においてイノシシは、その凶暴性から畏れられる一方、戦闘に臨む勇気の象徴として古くからヘルメットや紋章の意匠に使用されている。
 
野生のイノシシの頭部を銀細工でかたどった作品。細かい毛並みや開いた口からはみ出た上下の牙など非常に精巧な表現で、牙と首回りに施された鍍金が彫刻の巧さをさらに強調している。 印面は何も刻まれておらず未使用である。縞瑪瑙に一箇所の欠けがあるが、印面(印影)に影響はない。
 

過去の作品

Gold "Fox Caught in a Trap" on Bloodstone Base Fob Seal
ゴールド「罠にかかった狐」/ブラッドストーン フォブシール

c1860 France
c1860 フランス
刻印:鷲の頭(18金) 高さ:3.8cm 印面:2.8cm
イエローゴールド ルビー ブラッドストーン
 
18金の彫金細工とブラッドストーンの印章は、ナポレオンⅢ世時代の紳士がウォッチチェーンに着けたフォブシールである。暗緑色に血沫のような赤い斑点模様のブラッドストーンは、磔にされた十字架の下に染み込んだキリストの血が石になったものとして、絶対的な魔除けの力が宿る神聖な石と伝えられ、フォブシールとして着用されることが多い。
 
中央の板に獲物の足が乗ると2つの半円形の金属板がばね仕掛けで合わさり、獲物の脚を強く挟み込む罠をトラバサミと呼ぶが、このシールの彫金部分は、トラバサミの細かい構造とそれに挟まれた狐の右脚、罠から逃れるべく奮闘する狐の毛並みや体の動きなど、極めて見事な細密彫刻作品である。
*SOLD*