AnnexeⅥ【分室Ⅵ】〜シール(印章)

Le Cachetage 貴族的書簡の小道具 シール(印章)

アンティQ【anti-Q】貴族的書簡の小道具 アンティークのシール(印章) 

 郵便制度が進歩する19世紀半ばまで使者に託す大切な書簡には、本物であると同時に他人に開封されていない証として、溶かしたワックス(蝋)に自分専用のシール(印章)で封をしました。貴族社会における紋章学の発展を背景に、個人の紋章や標章、イニシャルやモットーをインタリオ(沈み彫り)で刻んだシールは、艶のある封蝋上にレリーフ状の印影を生み出します。シールは、格調高い貴族の小道具として実用性と共に装飾性も重視され、書斎の小物や装身具として凝った細工や目新しくユニークな意匠の作品が制作されました。
 
 アンティQでは18世紀後期から20世紀初頭までの、アンティークのシール(印章)作品を取り扱っています。アンティークシールを手に取る時、日常の小さな道具を美術工芸品の域にまで高めたヨーロッパ貴族の文化を支えた職人の誇りと情熱が伝わってくるようです。掲載作品についての価格や状態、掲載されていない在庫作品につきましては【CONTACT お問い合わせ】よりお問い合わせください。
 

Le Cachetage

アンティークシール(印章)図録


Desk Seal

デスクシール

貴族の書斎の必需品デスクシールは、比較的公的な書簡や文書の承認印などに使用された。デスクシールの印面を底にして机上に立て置く時、凝った握り手(ハンドル)の醸し出す存在感は小さな彫像さながらで、今日に至るまで多くの蒐集家を魅了している。

 

Hand Seal

ハンドシール

家族や恋人、親友宛ての私的な書簡向けのセンチメンタルな図像と言葉を刻んだシールや、旅行用と思われる小振りなシールなど、手中におさまる印章。19世紀の書簡の作法では、封蝋の色は男性は赤、女性は何色でも許された(喪は共に黒)。
 

Fob Seal

フォブシール

懐中時計を納めるためのズボンやベストの小さなポケットをフォブと呼び、時計を巻く鍵と共にウォッチチェーンに下げるフォブシールは、着用する者の格式や洗練の誇示に一役買った。現代ではネックレス用チェーンや革紐を通してペンダントチャームとして女性も楽しめるアイテムである。

 

Signet Ring /Seal Jewellery

シグネットリングなどシールジュエリー

貴石や貴金属にインタリオを施したシールを嵌めた指輪をシグネットリングと呼ぶ。18〜19世紀末まで繰り返された古典主義の流行から、封蝋と関係なく装身具として見栄えの良いシールジュエリーが好まれ多く着用された。

 

Writing Set

文房具セット

中世以降長きにわたって筆記具の主役であった羽根ペンに代わり、漸く金属製ペン先が開発普及された19世紀、凝った細工のペン軸がレターオープナーやシールと揃いで作られた。シルクのサテンやヴェルヴェットを内張りしたオリジナルボックスも見所である。