AnnexeⅥ【分室Ⅵ】〜シール(印章)

Hand Seal ハンドシール

Mother-of-Pearl Fist Holding a Scroll /Silver Hand Seal
白蝶貝彫刻「巻物を握る手」銀製ハンドシール

 
c1820 France
1820年頃 フランス
刻印:うさぎの頭(1819-1839)
長さ:6.9cm 白蝶貝 銀
 
18世紀後期、オルレアン公ルイ・フィリップⅡ世は自宅であったパレ・ロワイヤル中庭の回廊を商店街に改装して民衆に開放した。一時革命の政治拠点ともなったが、帝政時代はパレ・ロワイヤル(王宮)の名にふさわしい高級商店が軒を連ね、世界中から多勢の王侯貴族が従者を引き連れて訪れた。彼らはフランスの力と富に感銘を受け、高級な土産品を買い求めて帰国し、それらの品々は各地で流行の先端となった。
 
このシールは、相当な厚みの良質な白蝶貝を使って「巻物を握った手首」を立体的に彫り出した贅沢なパレ・ロワイヤル作品で、真珠母貝の細工物は当時パレ・ロワイヤルの名物として高い人気を誇っていた。
 
銀の印面は所有者の頭文字ETM?と刻まれている。  
 

Silver-Gilt Mounted Agate Hand Seal 
縞瑪瑙と鍍金された銀製ハンドシール

 
c1870 France
1870年頃 フランス
刻印:猪の頭(純度800)と工房印J F
高さ:6.3cm 縞瑪瑙 鍍金された銀
 
焦茶色から乳白色へのグラデーション模様が美しい縞瑪瑙を八角形にカットした小ぶりなハンドルのシールである。
 
鍍金された銀の印面は、ヘルメットの下、獅子と犬が支える3つのマルタ十字と蛇を表す盾の紋章がインタリオで刻まれている。ナポレオン・ボナパルトによって制定された勲章制度、レジオンドヌール騎士団メンバーの紋章と推察される。
 
装飾を排した、シンプルで品質の高い作品である。
 

Ivory Dog Handled Silver-Gilt Miniature Seal
象牙犬彫刻ハンドル銀製ミニチュア・シール

 
Late 19thC France
19世紀後期 フランス
刻印:猪の頭(純度800)
高さ:4.6cm 象牙 鍍金された銀
 
このシールは、ちょうど事務用三文判の極小訂正印のサイズであるが、当初から実用ではなく細密な象牙彫刻の愛好家向けに制作された贅沢な細工物である。19世紀の芸術分野におけるセンチメンタリズムを背景に、フランスでは"Fidélité(誠実)"の象徴である犬の意匠は、贈答品や手紙など親しい者との交流の品に大変好まれた。
 
印面は何も刻まれておらず未使用である。
 

6 Intaglio Pastes Multi Seal Wheel
6 インタリオ ペースト車輪型シール

 
Early 19thC England
19世紀初頭 イギリス
刻印なし 長さ:3.7cm 金色合金 模造宝石(ペースト)
 
宝石を模した人工素材ペーストは、鉛によって透過率や屈折率を高めたガラス(高鉛フリントガラス)の一種である。ヨーロッパでは18世紀後期からペースト・ジュエリーが流行し、スコットランド出身のJames Tassie(ジェームス・タッシー 1735–1799)と甥のWilliam(ウィリアム)は、色付きペーストを彫刻して古代のカメオやインタリオを復刻し大成功をおさめた。
 
インタリオ彫刻を施したペースト6点をセットした車輪型のシールは、ウィリアム・タッシーの活躍と同時代の作品である。以下はペーストの色と図像。文字は古英語が使用されている。
 
①アンバー風/アザミの花
②ブラッドストーン風/ハートを天秤にかけるクピド
③ホワイトカルセドニー風/花籠とクピド(欠け有り)
④アメジスト風/二羽の鳩に導かれるクピド
⑤オニキス風/鳥
⑥ブルーカルセドニー風/薔薇
 

Victorian Bronze Cube Seals
ヴィクトリアン ブロンズ製キューブ型シール

Late 19thC England
19世紀後期 イギリス
刻印なし 高さ:1.2cm(手前右) 1.5 /1.6cm(2点) ブロンズ
 
六面体の各面に異なる図像や文字をインタリオで刻んだキューブ型のシール三点である。
 
①六面全てに男女(おそらく歴史上の人物)の肖像
②手紙の絵と"U O ME"(次の便りは貴方から)、蒸気機関車や薔薇の絵など(おそらく男性用)
③手紙をくわえた鳩、鳥籠から飛び立つ小鳥、白鳥や忘れな草の絵など(おそらく女性用) 
*バラ売りします
 

Bronze Carvorting Putti on Lapis Lazuli Base Seal
ブロンズ「戯れる子ども」/ラピスラズリ シール

c1880 France
1880年頃 フランス
刻印なし 高さ:3.3cm ブロンズ ラピスラズリ
 
高さ8ミリ程度のラピスラズリ(瑠璃)の台座に、絡み合い戯れるふたりの子どものブロンズ彫刻がマウントされた、ハンドシールである。子どもたちの顔の表情や手足の指などは僅か25ミリの彫像とは思えない緻密さで、どの角度から見ても動きの感じられる作品である。
 
金色の斑点が輝く群青色の石ラピスラズリは、その神秘性で古代より人々を魅了してきた。 印面は何も刻まれておらず未使用である。 
 

過去の作品

French Gilt-Steel 3-Faces Revolving Seal
フランス製 鍍金スチール製三面回転式シール

Late 18thC France
18世紀後期 フランス
刻印なし 高さ:3.8cm スチール
 
フランス貴族(個人)の紋章または標章を3パターンにアレンジしたものを、スチール製の三面体の各面にインタリオで刻んだシールである。三面体が回転することで、書簡の相手によって封蝋の印影を使い分けることができる。
 
実用性を重視したスチール(鋼)素材にもかかわらず、シール全体に施した鍍金と透かし細工の装飾が、風格を感じさせる作品である。
*SOLD*