Annexe13【分室13】〜眼鏡小物

Magnifying Glass ルーペ/拡大鏡

 

Vermeil (Silver-Gilt) Magnifying Glass
ヴェルメイユ(鍍金銀製)拡大鏡

c1900 France
1900年頃 フランス
刻印:猪の頭(純度800)、判読困難な工房印
長さ:8.9cm 銀 レンズ
Germainオリジナルケース入り
 
マットな質感のヴェルメイユを施した古典主義建築の装飾を思わせる彫金ハンドルが見事なルーペ(拡大鏡)。チェーンを通す穴は無くやや小振りなサイズの書斎用と思われる。フランス中部トゥールのメゾンGermainのオリジナル革ケース入り、蓋内に"Germain JOAILLIER-ORFEVRE TOURSの押印が有る。アンティークのカトラリーやパラソルの柄にレンズフレームを後から取り付けた「アンティーク・ルーペ」が市場に出回るなか、オリジナルケース付きの銀製ルーペは稀少である。
 

 

Sampson Mordan & Co. Silver and Onyx Magnifying Glass
サンプソン・モーダン 銀/オニキス拡大鏡

1898 London England
1898年 ロンドン イギリス
刻印:純度950、1898年、ロンドンを表す英国印、S.M&Co(Sampson Mordan & Co. 工房印)
長さ:24.0cm 銀 オニキス スチール? レンズ
 
繰り出し式シャープペンシルの発明で特許を取得し金銀製の文房具の制作で有名なイギリス銀職人サンプソン・モーダン(Sampson Mordan 1790-1843)が起こした会社は、彼の死後も息子が事業を引き継いで戦争で工場を失うまで作品を世に送り続けた。Sampson Mordanのノベルティ(目新しく珍しいの意)作品は質が高く面白味があり蒐集家の間で人気が高い。
 
見映えの良い模様の部分を贅沢に使ったグリーンオニキスに銀装飾を施したハンドルが目を惹く書斎用ルーペ(拡大鏡)である。石のカーブにフィットした質の高い銀細工はSampsom Mordan & Co. によるものである。直径10cmのレンズとフレームはオリジナルを付け替えまたは加工したものであるが、重厚感のあるルーペを手にすると滑らかで工芸的な美しさが満足感を与えてくれる。
 

 

Boxed Janvier Quercia Silver Magnifying Glass
Janvier Quercia 銀製拡大鏡

c1900 France
1900年頃 フランス
刻印:ミネルヴァ(純度950)、工房印
長さ:14.5cm 銀 レンズ
 
イタリア出身のJanvier Querciaは、19世紀後期にパリで店を構え、アール・ヌーヴォー様式の宝飾品やステッキの柄や文房具などの高級小物を制作販売した。Janvier Querciaによる、野ばらの花綱をデザインしたハンドルがエレガントな女性向きの書斎用ルーペ(拡大鏡)である。アンティークのカトラリーやパラソルの柄にレンズフレームを後から取り付けた「アンティーク・ルーペ」が市場に出回るなか、オリジナル革ケース付きの銀製ルーペは稀少である。
 

 

Thomas Rubergall Gold-Filled Pocket Magnifying Glass
Thomas Rubergall 金張り携帯用ルーペ

c1830 England
1830年頃 イギリス
刻印なし 長さ:8.0cm 合金(金張り) レンズ
T. RUBERGALL OPTICIAN TO HIS MAJESTY 24 COVENTRY ST. LONDON.と英国王室の紋章を金で箔押ししたオリジナルモロッコ革ケース
 
レンズを覆うフレームからハンドルまで模様を刻んだ、ゴールドラッシュ以前19世紀前半の金張り携帯用ルーペ(拡大鏡)である。ロニエット・チェーン、革紐やリボンをつけ首から下げてペンダントルーペとして楽しみたい小型サイズ。タッセルやストラップを付け、オリジナルの革製スリーブケースに入れても洒落ている。鍍金の100倍も層の厚みがある金張りは、磨耗で地金が出ることは殆ど無くゴールドの高級感を得られると同時に地金が合金のため道具としての耐久性もある。
 
ロンドンで1802年から57年までの間、光学機器や計測機械の製作販売を行っていたThomas Rubergallは、イギリス国王ジョージ3世と息子のクラレンス公(のちの国王ウィリアム4世)御用達の格調高い店舗であった。
 

 

French Gold-Filled Pocket Magnifying Glass
フランス 金張り携帯用ルーペ

c1820 France
1820年頃 フランス
判読困難な刻印 長さ:6.3cm
銀?(金張り) レンズ
 
交差するふたつの白鳥の首とホタテ貝のハンドルは厚みの無い華奢な作り、ゴールドラッシュ以前19世紀前半の金張り携帯用ルーペ(拡大鏡)である。ロニエット・チェーン、革紐やリボンをつけ首から下げてペンダントルーペとして楽しみたい小型サイズ。鍍金の100倍も層の厚みがある金張りは、磨耗で地金が出ることは殆ど無くゴールドの高級感を得られると同時に地金が銀(または合金)のため道具としての耐久性もある。
 

 

Georgian Gold-Filled Pocket Magnifying Glass
ジョージアン 金張り携帯用ルーペ

c1830 England
1830年頃 イギリス
刻印なし 長さ:8.5cm 合金(金張り) レンズ
 
レンズを覆うフレームからハンドルまで隙間なく模様を刻んだ、ゴールドラッシュ以前19世紀前半の金張り携帯用ルーペ(拡大鏡)である。ロニエット・チェーン、革紐やリボンをつけ首から下げてペンダントルーペとして楽しみたい小型サイズ。鍍金の100倍も層の厚みがある金張りは、磨耗で地金が出ることは殆ど無くゴールドの高級感を得られると同時に地金が合金のため道具としての耐久性もある。
 
*画像に使用しているケースは付属しません 
 

 

CHAUMET LONDON Elephant Hair Gold Pocket Magnifying Glass
ショーメ・ロンドン 象の尾毛18金携帯用ルーペ

1979 France
1979年 フランス
刻印:ロンドン輸入印、750(18金)、M(1979年)、S&S?、鷲の頭(18金)、判読困難な工房印
グラヴュール:CHAUMET LONDON 長さ:5.4cm
イエローゴールド 象の尾毛 レンズ
CHAUMET PARIS 12 PLACE VANDOME...と金で箔押ししたオリジナルポーチ
 
高級宝飾店ショーメは、1780年に創業しマリー・アントワネットやナポレオン・ボナパルトを顧客に持ち、1848年にオープンしたロンドン店はヴィクトリア女王の御用達となるなど、フランス屈指のグラン・メゾンである。
 
ヴィンテージのショーメ・ロンドンの携帯用ルーペ(拡大鏡)は、オリジナルのスエードポーチに収めてそのままバッグに忍ばせても良いが、ロニエット・チェーン、革紐やリボンをつけ首から下げてペンダントルーペとして楽しめる洒落たサイズ感とデザインである。イエローゴールドのハンドルに螺旋状に巻き付けた黒い象の尾毛は、魔除けの効果があるとされる幸運のお守りで、ジュエリー素材として1970年代に流行した。 
 

 

French Gold-Filled Folding Magnifying Loupe
フランス 金張り折りたたみルーペ

c1830 France
1830年頃 フランス
刻印なし 長さ:2.7cm(カン含まず)
合金(金張り) レンズ
 
ゴールドラッシュ以前19世紀前半の金張り携帯用ルーペ(拡大鏡)である。ロニエット・チェーン、革紐やリボンをつけ首から下げてペンダントルーペとして楽しみたい小型サイズ。鍍金の100倍も層の厚みがある金張りは、磨耗で地金が出ることは殆ど無くゴールドの高級感を得られると同時に地金が合金のため道具としての耐久性もある。旋盤によるギョーシェ模様と植物文様のレリーフがエレガントでいかにもフランスらしい作品である。
 

 

French Silver Quizzing Glass
フランス銀製クイズングラス

Middle 19thC France
19世紀中期 フランス
刻印:猪の頭(純度800)、判読困難な工房印
長さ:6.0cm 銀 レンズ
金の箔押しオリジナル革ケース
 
模様を刻んだ銀製クイズングラス(柄付き片眼鏡)である。洗練されたコンパクトで華奢な作り。ロニエット・チェーン、革紐やリボンをつけ首から下げてペンダントルーペとして楽しみたい小型サイズ。タッセルやストラップを付け、オリジナルの革製スリーブケースに入れても洒落ている。
 

 

Georgian Gold-Filled Pocket Magnifying Glass
Georgian Gold-Filled Quizzing Glass
ジョージアン 金張り携帯用ルーペ/金張りクイズングラス

c1830 England
1830年頃 イギリス
刻印なし 長さ:8.7cm/ 7.5cm 合金(金張り) レンズ
 
レンズを覆うフレームからハンドルまで隙間なく模様を刻んだ、ゴールドラッシュ以前19世紀前半の金張り携帯用ルーペ(拡大鏡)とクイズングラス(柄付き片眼鏡)である。ロニエット・チェーン、革紐やリボンをつけ首から下げてペンダントルーペとして楽しみたい小型サイズ。鍍金の100倍も層の厚みがある金張りは、磨耗で地金が出ることは殆ど無くゴールドの高級感を得られると同時に地金が合金のため道具としての耐久性もある。クイズングラスのレンズにスクラッチあり。
 
*画像に使用しているケースは付属しません 
*(上 )SOLD*
 

 

TIFFANY & Co. Exhibition Picasso Magnifying Glass
ティファニー社 ピカソ展 拡大鏡

1939 New York U.S.A.
1939年 ニューヨーク アメリカ合衆国
刻印なし 直径:6.1cm
合金(真鍮?) レンズ 紙 布
 
1929年オフィスビル内のフロアから始まったNY近代美術館(MoMA)は、現在地に移転し1939年に建物の竣工を迎えると、パブロ・ピカソのアメリカ初の大回顧展 "Picasso: 40 years of His Art"をシカゴ美術館と共同で開催した。世界が戦争へと向かって行くなか、『ゲルニカ (1937)』含むピカソの主要作品344点を展示したこの展覧会は美術史上重要なイベントとなった。
 
TIFFANY&Co.と記した黒い三角形の模様をレンズの中に印刷したルーペである。レンズを縁取る金属枠には”TIFFANY & Co. New York Art Gallery 1939・Picasso”と限定番号が記されている。MoMAのピカソ展と直接の関係がある品か不明であるが、面白みのある文房具と言える。オリジナルケース付き。
 

過去の作品

ASPREY Silver and Tortoiseshell Magnifying Glass
アスプレイ 銀/べっ甲拡大鏡

1899 London England
1899年 ロンドン イギリス
刻印:純度950、1899年、ロンドンを表す英国印、HBA(John Batson & Sons工房印)
グラヴュール:ASPREY, 166 New Bond St. w.
長さ:24.0cm 銀 べっ甲 レンズ
 
時計や宝飾品、皮革製品、食器から家具までを取り扱うロンドンボンドストリートの高級商店アスプレイは、19世紀から英国王室御用達のラグジュアリーブランドとしてつとに有名である。
 
最大10cmのレンズを覆うフレーム、全体で24cmの迫力サイズのアスプレイの書斎用ルーペ(拡大鏡)である。ケルビムと花の透かし細工のフレームとべっ甲ハンドルの銀装飾は特に見事で、ロンドンのHenry JohnとAlbert EdwardのBatson父子の工房が手掛けている。19世紀にこのサイズの凸レンズの製作は困難であったと思われ、オリジナルレンズに内包物や若干の歪み?が見られる。アンティークのカトラリーやパラソルの柄にレンズフレームを後から取り付けた「アンティーク・ルーペ」が市場に出回るなか、このサイズのオリジナルの高級ルーペは大変稀少である。
*SOLD* 

HERMÈS "Crinière" Silvered-Metal Desk Loupe by Ravinet d'Enfert
エルメス/ラヴィネ・ダンフェール「クリニエール」銀めっきデスクルーペ

1970's France 
1970年代 フランス
刻印:HERMES-PARIS、R&D(工房印)、MADE IN FRANCE
長さ:13.0cm 金属 レンズ
 
19世紀半ばまで遡る歴史を持つパリの銀工房ラヴィネ・ダンフェールは、カトラリーを中心とした銀食器に定評があり数々の万国博覧会で賞を獲得した。1930年代から70年代までエルメスのメゾンで販売する銀や銀めっき製の文房具や喫煙小物の制作に携わった。エルメスの世界観を象徴する馬やゴルフボール、ロープをモチーフとした彼らの小物作品は、現代でもヴィンテージ・エルメスとして世界中で人気を誇る。
 
特にたてがみを意味する「クリニエール」シリーズは、彫刻的な馬の首の迫力に圧倒される。ペーパーウェイトを兼ねた重厚なルーペは、見ても使っても、満足感を得られる作品である。Ravinet d'Enfertは1984年に活動を停止、Ercuis(エルキューイ)に吸収される。貴重なヴィンテージ作品となる。
*SOLD* 

RISLER et CARRÉ Silver Magnifying Glass
RISLER et CARRÉ 銀製拡大鏡

c1900 Paris France
1900年頃 パリ フランス
刻印:ミネルヴァ(純度950)、工房印、RISLER&CARRÉ PARIS
長さ:17.5cm 銀 レンズ
 
フォーブル=サントノレ通りに店を構えていたRISLER et CARRÉ(1897-1912)は、短い操業期間にもかかわらずフランス屈指の銀工房及び銀器商として名を残し、彼らの作品は現在も欧米の競売で高い評価を得ている。
 
RISLER et CARRÉの書斎用ルーペ(拡大鏡)は、レンズを覆うフレームからハンドルまで月桂樹の葉を編んだ装飾(月桂冠)が刻まれ、ハンドル部分の透かし細工は特に見事である。アンティークのカトラリーやパラソルの柄にレンズフレームを後から取り付けた「アンティーク・ルーペ」が市場に出回るなか、このサイズのオリジナル銀製ルーペは稀少である。オリジナル凸レンズ中央のスクラッチは、机に置く度についたものである。
*SOLD* 

Victorian Tortoiseshell Folding Magnifying Loupe
ヴィクトリアン べっ甲折りたたみルーペ

Late 19thC England
19世紀後期 イギリス
刻印なし 長さ:5.4cm(収納時、カン含まず)
べっ甲 天然樹脂 レンズ
 
骨董蒐集家の必需品、銀器の刻印や宝石の疵などを見るための高倍率ルーペである。べっ甲の板に挟まれたレンズ枠は、ヴィクトリア時代植民地から輸入加工して利用され始めた天然ゴムの一種ヴァルカナイト(エボナイト)で作られている。レンズ二枚を重ねると10倍程度の拡大率が得られる。真鍮など金属製ルーペが主流であった当時、ステータスを感じるものを所有したい者のために作られた逸品である。
*SOLD* 

Small Bone Handled Magnifying Glass /Small Brass Magnifying Glass
獣骨柄付き小型拡大鏡/真鍮製小型拡大鏡

Late 19thC Probably France /Early 19thC Probably England
(左)19世紀後期 おそらくフランス
長さ:8.0cm 直径:1.7cm 獣骨 鍍金された金属 ガラスレンズ
(右)19世紀初期 おそらくイギリス
長さ:7.0cm 直径:2.6cm 真鍮 レンズ
 
厚みのあるレンズに獣骨の柄の付いた槌の様な形状の拡大鏡は、地図や書物の上に直接置いて使用するものであり、極細かい文字に対応する。オリジナルケースつき。英国ジョージ4世時代の真鍮製の拡大鏡は10倍程度の倍率があり、当時の科学者等が専門分野において使用したものと考えられる。オリジナル革製ケースの品質から当時の高級品であったことが窺える。
*SOLD*