AnnexeⅦ【分室Ⅶ】〜飾り小箱

Organic Material 生物材料

Tortoiseshell Tabatière (Snuff Box) Inset with 7 Ivory Micro-Carving Miniatures
象牙マイクロ彫刻画7枚入りべっ甲タバティエール(嗅ぎ煙草入れ)

c1780 France
1780年頃 フランス
刻印なし 直径:7.5cm
べっ甲 象牙 ゴールド ガラス
 
7枚のマイクロ彫刻画を嵌め込んだ特別なべっ甲製タバティエールである。マイクロ彫刻画は、マイクロ技法とよばれる百分の数ミリで彫刻された象牙レリーフで、この奇跡的な細密作品は王侯貴族の注文により主にドイツ系の彫刻家がブリュッセルやイギリスに渡って製作した。
 
中央の井戸(願掛け井戸?水や泉は命を表す)の彫刻画を、"L"の飾り文字や太陽や塔などの象徴的意匠が取り囲んでいる。知的遊戯として寓意を解読できる相手に贈ったラブトークン(愛のしるし)と思われる。
 

Ivory Round Box Inset with Wedgwood Plaque
ウェッジウッド陶板入り象牙円形ボックス

1895年頃 オーストリア
刻印:アルテミス(純度950)、K.K(工房印)
直径:7.7cm 高さ:3.9cm 
象牙 石器(ストーンウェア) 鍍金された銀 模造宝石(ペースト)
Keller & Reinerのオリジナルケース入り
 
ペガサスをいたわる三美神を主題としたウェッジウッド窯によるペールブルーのジャスパーウェア陶板を英国から取り寄せ、オーストリアで銀細工を施した象牙製の円形ボックスである。鍍金された銀装飾はアールヌーヴォー期に好まれたヤドリギの意匠で、ポイントに赤いペーストを嵌めている。
 
当時この作品を販売したベルリンの美術商Keller & Reinerのオリジナルケース入り。ケース蓋裏に"Keller & Reiner Kunsthandlung Berlin.W"の押印が有る。
 

Vernis Martin Painted Ivory Tabatière (Snuff Box)
ヴェルニ・マルタン手描き象牙タバティエール(嗅ぎ煙草入れ)

Late 19thC France
19世紀後期 フランス
サインなし 8.4 x 6.3 x 1.4cm 象牙
 
ルイXV時代、東洋からもたらされた漆器を模倣してマルタン家が発明した擬似漆、ヴェルニ・マルタン技法によって箱表面全体にロココ様式の細密画を描いた、19世紀フランスの象牙製の嗅ぎ煙草入れである。箱内側は何も描かれず白い象牙のままである。
 
市民革命によってロココや新古典主義といった正統的様式が一時中断していた19世紀後半のフランスでは、生活空間である装飾美術の分野で、ロココ様式を盛んに取り入れるようになる。富裕層である貴族やブルジョワ市民はルイXVからXVI時代の宮廷文化に憧れ、ロココ・リバイバルの作品が数多く作られた。
 

過去の作品

Louis XVI Vernis Martin Tortoiseshell Tabatière (Snuff Box) Inset with Miniature
ルイXVI 細密画入りヴェルニ・マルタンべっ甲タバティエール(嗅ぎ煙草入れ)

c1770 France
1770年頃 フランス
刻印なし 直径:6.0cm べっ甲 ゴールド ガラスほか
 
ルイXV時代、東洋からもたらされた漆器を模倣してマルタン家が発明した擬似漆、ヴェルニ・マルタン技法によってアップルグリーンに金色のドットで箱全体が仕上げられている。
 
箱蓋中央のゴールドで縁取られた細密画は薔薇色の背景に白鳩2羽と松明、クピドの矢筒と香炉が描かれ、愛の勝利を象徴している。ふんわりとした優しい配色は正統なロココ作品の趣である。手描きされた細密画の支持体の素材は不明。
*SOLD*