AnnexeⅩ【分室Ⅹ】〜銀食器

British Silver 英国の銀食器小物

Cased Silver-Gilt Christening Set
鍍金シルバー クリスニング3点セット(オリジナルケース入り)

1837 Birmingham England
1837年 バーミンガム イギリス
刻印:純度950、ウィリアムⅣ世の横顔、1837年、バーミンガムを表す英国印、J.W (Joseph Willmore工房印)
(ナイフ)17.2cm (スプーン)15.9cm (フォーク)13.5cm 
 
キリスト教会において幼児が洗礼を受け洗礼名を与えられる儀式をクリスニングと呼ぶ。一堂に会した親戚、友人に生まれた子どもを初披露する機会でもあり、宗教的なだけでなく社交的にも重要な儀式である。
 
臙脂色のシルクヴェルヴェットの内張り、同じく臙脂のモロッコ革のケースに納められた、鍍金が施された揃いのナイフ、スプーン、フォークの豪華な洗礼式の祝いの品である。通常のクリスニング・カトラリー同様の小振りなサイズは、一人向けの水菓子用などに重宝する。
 

Cased Set of 5 Silver Salt Spoons Collection
シルバー ソルトスプーン・コレクション5本セット(オリジナルケース入り)

Middle 19thC England
19世紀中期 イギリス
(植物型)刻印:純度950、1843年、バーミンガムを表す英国印、J W (Joseph Willmore工房印 長さ:10.3cm
(貝型2点)刻印:純度950、1854年、ロンドンを表す英国印、C B (Charles Boyton工房印) 長さ:9.7cm
(シヴァ神2点)刻印なし 英領インド帝国 長さ:5.8cm
 
19世紀イギリスの上流社会では、晩餐会を開き客人をもてなす事は社会的ステータスであり、様々な作法が確立していた。着席者は各自で、卓上に個別に置かれたソルトセラー(塩入れ)からソルトスプーンを使い料理の皿に塩を足して好みの塩加減に整えた。そのためヴィクトリア時代の銀製ソルトスプーンには晩餐会用の凝ったものが多く見られる。
 
朝顔をかたどったWillmore作品と、シェル型ボウルと人の顔が浮き彫りされたBoyton作品は、いずれも厚みのある彫金が味わい深いスプーンである。ヒンドゥー教のシヴァ神が付いた小スプーンは、英国領インド帝国で作らせたもので、当時の貴族にとって異国風で目新しい、自慢の品であったと思われる。
 
ロンドンの宝飾品店のオリジナルケース入りで、当時珍しいソルトスプーンをセット販売したものと考えられる。
 

Cased Pair of Silver Pierced Shamrock-Pattern Napkin Rings
シルバー 透かし細工シャムロック文 ナプキンリング一対(オリジナルケース入り)

1909 Chester England
1909年 チェスター イギリス
刻印:純度950、1909年、チェスターを表す英国印、T&S (E.J.Trevitt & Sons工房印)
直径:4.5cm(最大) 高さ:2.5cm 
 
シャムロックは、クローバーなど、三つ葉の草の総称である。アイルランドの守護聖人パトキリウス(聖パトリック)は、シャムロックを用いて「三位一体」の教義を説き、キリスト教の布教に尽力した。
 
シャムロックの透かし文様を通して、テーブルナプキンの色や質感を愉しむことのできるシルバーのナプキンリングである。結婚または銀婚祝いの贈答品であったと思われるが、特定のイニシャルは刻まれていない未使用品である。
 

Cased Set of 6 Silver Devil's Head Cocktail Picks
シルバー 悪魔の頭 カクテルピック6本揃い(オリジナルケース入り)

1929 Birmingham England
1929年 バーミンガム イギリス
刻印:純度950、1929年、バーミンガムを表す英国印、W H & SS LD. (William Hutton & Sons Ld.工房印)
長さ:8.4cm
 
夕方に催される立食形式のカクテルパーティーは、すべてに軽快さが求められた1920年代に誕生し流行した。オリーブやチェリーなどをカクテルに添える際に用いるピンをカクテルピックまたはカクテルピンと呼び、この頃から製産されるようになった。
 
1800年起業のWilliam Hutton工房は、伝統的な作品だけでなく、1900年頃には高級百貨店リバティのために斬新な作品も制作していた。悪魔のカクテルピックは大変奇抜で、当時のカクテルパーティーを大いに盛り上げたに違いない。