Annexe 8【分室8】〜ヴィエナブロンズ

Oddities 別種の動物および変種

 

Vienna Bronze Tarantula Pen Wipe
ヴィエナブロンズ タランチュラペンワイプ

Late 19thC Austria
19世紀後期 オーストリア
刻印:GESCHUTZT ブロンズ 猪?の毛
長さ:11.3cm
 
大変珍しいヴィエナブロンズの大蜘蛛タランチュラである。タランチュラは17世紀頃までのヨーロッパにおける伝説上の毒グモで、咬まれると発熱して踊り狂う(舞踏病)と信じられた。現代では大きな蜘蛛を総称して呼ぶが毒性のあるものは少ない。
 
動物のたてがみを使った硬い毛のブラシで、ペン先に付着したインクを拭き取るためのペンワイプ。蜘蛛の起毛した胴体を表すようにブラシを植毛した作品はそのサイズとともに不気味な存在感がある。
 

 

Vienna Bronze Green Frog
ヴィエナブロンズ アオガエル

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
長さ:4.5cm
 
様々な文化圏で縁起の良い存在とされ童話などにも多く登場するカエル。ヴィエナブロンズのカエル作品の多くは擬人化されたものやミニチュアサイズであり、このカエルのように本物と見紛うサイズは比較的珍しい。手元に置きマスコットにしても良い。
 

 

Vienna Bronze Group of 2 Frogs on Bench
ヴィエナブロンズ ベンチに座る2匹のカエル

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
高さ:2.7cm
 
様々な文化圏で縁起の良い存在とされ童話などにも多く登場するカエル。擬人化したヴィエナブロンズのカエル作品はやや小さめのサイズである。両手で本を持ち読書する相棒に脚を組みパイプ片手に話しかけるカエル、それぞれの個性とのどかな日常を感じさせる仕草が微笑ましい。
 

 

Vienna Bronze Set of 2 Black Boy & Girl Couple on Bench
ヴィエナブロンズ ベンチに座る黒人の少女と少年

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
ベンチの長さ:4.4cm
 
世界中を植民地支配した西ヨーロッパでは19〜20世紀にかけて、異なる民族(有色人種)を未開人として展示し見せ物にする「人間動物園」がつくられ見物客で賑わった。黒人の子どもは異国の珍しい動物同様エキゾチックで可愛い「生き物」としてヴィエナブロンズ作品の主題とされ目新しいものを好む上流階級の蒐集家に愛された。人権的配慮から現代では製作されることのない貴重なモデルである。
 
黒人シリーズとしてはサイズが大きく、繊細なふたりの顔や手足の指先の表情、少女の耳飾りなどが丁寧に作り込まれている。一方のベンチに大きなエナメルの剥落がある。
 
*セットでの販売です
 

 

Vienna Bronze 2 Black Boys Wheelbarrow Exercise
ヴィエナブロンズ 手押し車運動をするふたりの黒人の子ども

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
長さ:3.7cm
 
世界中を植民地支配した西ヨーロッパでは19〜20世紀にかけて、異なる民族(有色人種)を未開人として展示し見せ物にする「人間動物園」がつくられ見物客で賑わった。黒人の子どもは異国の珍しい動物同様エキゾチックで可愛い「生き物」としてヴィエナブロンズ作品の主題とされ目新しいものを好む上流階級の蒐集家に愛された。人権的配慮から現代では製作されることのない貴重なモデルである。
 

 

Vienna Bronze Group of Miniature 2 Black Boys Playing with Zebra
ヴィエナブロンズミニチュア シマウマと遊ぶ黒人の子ども

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
長さ:2.7cm
 
極小ミニチュア作品。子どもの顔立ちや縮れた頭髪まで細かく成形されている。経年によるエナメルの剥げはあるが、細部の欠損やダメージの無い良好な状態。アフリカ大陸を見たことの無いウィーンのブロンズ職人が、黒い子どもとシマウマが遊ぶ情景を想像で制作したのであろう、微笑ましい一品。
 

 

Vienna Bronze Miniature Black Boy & Girl Couple and Zebra
ヴィエナブロンズミニチュア 黒人の少女と少年とシマウマ

c1920 Austria
1920年頃 オーストリア
刻印なし ブロンズ
(黒人の子ども)高さ:1.4cm (シマウマ)体長:1.5cm
 
極小ミニチュア作品。子どもの衣装やシマウマの明るいエナメルの着色から1920年代のものと思われる。黒い子どものカップルは、経年によるエナメルの剥げはあるが、分かれること無く所有、保存されてきたことが窺える。
 
*少女と少年はセット、シマウマは単品で販売します
*(シマウマ)SOLD* 
 

 

Vienna Bronze Miniature Tyrolean Couple Holding a Sign "BONNE ANNÉE"
ヴィエナブロンズ ミニチュア 看板を持つチロルのカップル

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
高さ:2.3cm 幅:4.1cm
 
ドイツ、スイス、イタリアの国境、雄大なアルプスの山々に囲まれたオーストリアのチロル地方。"BONNE ANNÉE(良い年を)"とフランス語が記された看板を掲げるチロルのカップルのブロンズ像は、フランス市場におけるクリスマス贈答用の作品と思われ、文字の上下のスペースに相手や自分の名、日付などを書き込める。
 
*猫(*SOLD*)は付属しません
 

 

Vienna Bronze Man Listening to Radio on Electrical Telegraph
ヴィエナブロンズ 電信機でラジオを聴く男

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
幅:5.8cm 高さ:5.0cm
 
電信機でラジオを聴く南の島のショートパンツの男。足を投げ出しくつろぐ男の傍には脱いだカンカン帽、背をあずける椰子の上には鳥、のんびりとした場面をブロンズで細部まで再現した珍しい作品。電信と電話は19世紀の大発明のひとつであるが、商業や軍事目的ではなく個人の趣味で無線通信を楽しむ男の姿が微笑ましい。
 

 

Vienna Bronze 3 Gnomes Playing Leapfrog Desk Paper Clip
ヴィエナブロンズ 馬跳び遊びをする三人の小人 デスク・ペーパークリップ

c1890 Austria
1890年頃 オーストリア
刻印なし ブロンズ 真鍮 木
土台の板:15.8 x 10.2cm
 
黒上着のノーム(小人の妖精、精霊)が赤上着の背中で馬跳びを試みて失敗、側のひとりが一緒に転けている、動きのあるユーモラスなヴィエナブロンズの付いた卓上用のペーパー・クリップ。小人の表情までもが楽しい、非常に珍しい作品である。
 

 

Vienna Bronze Baby with Spoon
ヴィエナブロンズ スプーンを持つ幼児

c1890 Austria
1890年頃 オーストリア
刻印なし ブロンズ
高さ:3.3cm
 
スプーンを振り上げ駄々をこねる幼児。ぐずった子どもの表情、手足の指先や髪、肩からずり落ちるエプロンドレスなどが巧みに表現されている。エナメル彩はなく金を鍍金したのみで、彫刻の質の高さを際立たせた珍しい作品。
 

過去の作品

Vienna Bronze Lizard and Fallen Leaf
ヴィエナブロンズ 落ち葉に蜥蜴

Late 19thC Austria
19世紀後期 オーストリア
刻印:GESCHUTZT 2365 ブロンズ
長さ:24.3cm
 
25cmほどもある一枚の枯葉の穴から半身を出す蜥蜴、リアルサイズのヴィエナブロンズ作品である。蜥蜴の体の模様はさることながら葉脈まで綿密に作り込んだ捩れた葉に施した枯れた質感のエナメル細工が見事である。葉の表面に一粒の水滴も描かれ、超絶技巧と謳われる本物そっくりに作った明治の工芸品に通じる魅力がある。エナメルの剥落やへこみ、アタリがほぼ見られない素晴らしい状態である。
*SOLD* 

Vienna Bronze Miniature Tyrolean Family of Four
ヴィエナブロンズミニチュア チロルの4人家族

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
高さ:2.3cm 幅:5.6cm
 
ドイツ、スイス、イタリアの国境、雄大なアルプスの山々に囲まれたオーストリアチロル地方。チロルの農民家族のブロンズ像である。手を繋いだ4人家族像からは、アルプスの豊かな大自然、花が溢れる牧草地とそこに暮らす人のあたたかさが感じられる。
*SOLD* 

Vienna Bronze Miniature Devil Kidnap Black Boy
ヴィエナブロンズミニチュア 黒人の子どもを攫う悪魔

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
高さ:2.9cm
 
極小ミニチュア作品。両腕を上げた子どものポーズや悪魔の蹄のある爪先まで細かく成形されている。細部の欠損やダメージの無い良好な状態。悪魔の両足と尻尾、杖でうまくバランスを取って自立する。大変ユニークな作品である。 
*SOLD* 

Vienna Bronze Clown and 4 Geese
ヴィエナブロンズ 道化師と4羽のガチョウ

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
幅:5.8cm 高さ:4.0cm
 
ヨーロッパにおいて近代の「サーカス」が誕生したのは、従来の動物や人間の曲芸から成る見世物にコミカルな道化師の道化芸を加えた19世紀であった。白塗りの顔にだぶついた衣裳の道化師と4羽のガチョウが横一列に並んで歩く姿は、愉しげで生き生きしている。フィギュアになるほど人気の出し物であったのであろう、これから始まる彼らの芸を想像するのが楽しい作品である。
*SOLD* 

Vienna Bronze Fly Stick Pin
ヴィエナブロンズ 小蝿のスティックピン

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ 樹脂 ピン部分は鍍金
体長:0.8cm ピンを含めた長さ:5.4cm
 
ヴィエナブロンズ作品の中でも珍しい虫シリーズは蒐集家垂涎の的であるが、古いものは繊細な虫の脚や翅に傷みや欠損のある場合が多く、透明な樹脂製の翅が付く蜂や蠅では良好な状態は極めて稀である。
 
本物と見まごう細工で色剥げも無い小蝿のスティックピンである。いつの時代も他人と違う風変わりなものを身につけることに悦びを感じる者がいるわけで、ジャケットの衿やタイに蝿を着けた紳士を想像すると可笑しみがある。オリジナルでは無いがヴィクトリア時代の革ケースが付属する。
*SOLD* 

Vienna Bronze Black Boy Attacked by an Elephant
ヴィエナブロンズ 象に襲われる黒人の子ども

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ 牙
長さ:4.9cm
 
世界中を植民地支配した西ヨーロッパでは19〜20世紀にかけて、異なる民族(有色人種)を未開人として展示して見せ物にする「人間動物園」がつくられ、多くの見物客で賑わった。黒人の子どもは、異国の珍しい動物同様、エキゾチックで可愛い「生き物」としてヴィエナブロンズ作品の主題とされ、目新しいものを好む上流階級の蒐集家に愛された。人権的配慮から現代では製作されることのない貴重なモデルである。
*SOLD* 

Vienna Bronze Cupid Drawing a Bow Desk Tray
ヴィエナブロンズ 弓を引くクピド デスク・トレイ

c1890 Austria
1890年頃 オーストリア
刻印なし ブロンズ
 
気紛れに恋の矢を放つローマ神話のクピドは、翼をもつ悪戯好きの幼児として表されいつの時代も人々に愛されてきた。裏と表ともに緑色のエナメルで着色した、弓矢を構えたクピドが立つ小振りなトレイは、恋人や親しい者からのカードや身の回りの小物を置くにふさわしい。濃い茶色のブロンズ製のクピド像はエナメル彩はなく金を部分鍍金したのみで、彫刻の質の高さを際立たせている。
*SOLD* 

Vienna Bronze Green Lizard Open Mouth
ヴィエナブロンズ 口を開けた蜥蜴

c1900 Austria
1900年頃 オーストリア
刻印なし ブロンズ
幅:6.5~7.0cm
 
ヨーロッパに広く分布する黄緑色の蜥蜴Green Lizard(ミドリカナヘビ)のフィギュア。色鮮やかな現行品も生産されているが、口を開けたモデルは比較的珍しい。エナメルの剥げが見られるが経年によるブロンズが味のある良い色になっている。 
*SOLD*

Vienna Bronze Fly
ヴィエナブロンズ 小蠅

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ 樹脂
体長:0.9cm
 
ヴィエナブロンズ作品の中でも珍しい虫シリーズは蒐集家垂涎の的であるが、古いものは繊細な虫の脚や翅に傷みや欠損のある場合が多く、透明な樹脂製の翅が付く蜂や蠅では良好な状態は極めて稀である。オリジナルの台付き小蝿は、台が無ければ本物と見まごう細工で色剥げも無い。
*SOLD*

 

Vienna Bronze Golliwog Golly and Frog
ヴィエナブロンズ 傘をさすゴーリーとカエル

Early 20thC Austria
20世紀初頭 オーストリア
刻印なし ブロンズ
高さ:(ゴーリー)4.1cm(傘含まず) (かえる)0.9cm
 
フローレンス・ケイト・アプトンの著作『2つのオランダ人形とゴリウォーグの冒険(The Adventures of Two Dutch Dolls and a Golliwogg)』(1895年)シリーズはヨーロッパで大成功を収め、そのキャラクター、ゴリウォーグ(ゴーリー)も広く人気となった。
 
ヴィエナブロンズのゴーリーは本物の毛(毛皮?)が頭に貼られている。毛の部分を失ったものを多く見かけるが、この作品は良好な状態である。カエルはミニチュアながら背中の黒ラインやピンクに塗り分けられた腹や足と細かなつくりである。2点はセットではないが、蒐集陳列を楽しむ上での組み合わせ参考例である。 
*SOLD*

Vienna Bronze Skull Inkwell
ヴィエナブロンズ 髑髏 インク入れ

c1880 Austria
1880年頃 オーストリア
刻印:GESCHUTZT ブロンズ
高さ:5.9cm
 
頭の蓋部分などに経年によるエナメルの剥げが見られるが味わいとなっている。骨の上にインクの乾いていないペンを休められるようデザインされている。刻印の GESCHUTZTは「商標登録」のような意味で、比較的大きなサイズのヴィエナブロンズ作品に打刻される。
*SOLD*

Vienna Bronze Skull and Crossbones Inkwell
ヴィエナブロンズ 髑髏と骨 インク入れ

Late 19thC Austria
19世紀後期 オーストリア
刻印:B(Bergmannの刻印) ブロンズ
高さ:7.2cm
 
眉間の皺、眼窩の奥からこちらを視る目はうつろではなく表情豊かな髑髏は、死神を思わせる。上顎と下顎の間にペンをくわえる事ができる。
 
1860年頃、最初のヴィエナブロンズ工房を構えた職人フランツ・ベルクマン Franz Bergmann(1838-1894)、と息子のフランツ・クサーヴァー・ベルクマン Franz Xavier Bergmann(1861-1936)の創作した原型は、数あるヴィエナブロンズ作品のなかでも最高レヴェルである。ただし現代物でもその原型が使用されているため、刻印入りのアンティーク作品は蒐集家に人気が高い。
 
多くのBergmann作品の中でも、非常に珍しいモデル。
*SOLD*

Vienna Bronze Flower Plants in Pot and Mouse
ヴィエナブロンズ 鉢植え植物とネズミ

Early 20thC Austria
20世紀初期 オーストリア
刻印:(植物のみ)AUSTRIA ブロンズ
高さ:(ピンクの花)3.9cm (青い花)4.6cm 
(ネズミ)体長:1.3cm(尻尾含まず)
 
鉢植え植物の花と葉を細かく成形したブロンズ細工を手彩色のコールド・エナメルで仕上げた作品2点。ヴィエナブロンズの動物やドールハウス等と組み合わせ飾ると楽しい小品。 
*SOLD*

Vienna Bronze Joan of Arc Praying after Princess Marie Christine d’Orléans
ヴィエナブロンズ 祈りを捧げるジャンヌ・ダルク

c1900 Austria
1900年頃 オーストリア
刻印なし ブロンズ 金色金属(剣) 木 鎖
高さ:(ジャンヌ・ダルク)15.0cm (城門)41.0cm
 
革命後フランス国民のナショナリズム高揚のために、ナポレオンによって国民的ヒロインに祭り上げられたジャンヌ・ダルク人気にあやかり、フランス市場向けに製作された作品である。原作のフランス王ルイ・フィリップの次女マリー・ドルレアン(1813-39)の彫刻作品「祈りを捧げるジャンヌ・ダルク」は、最も有名なジャンヌ像のひとつで、現在までに様々な素材やサイズで複製されている。
 
付属するオーク材の飾り台は、解放後のオルレアン城門の跳ね橋を表している。飾り映えのするドラマティックな作品。
*SOLD*