CabinetⅠ【第Ⅰ室】〜Dolls 人形
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Doll〜人形図録09

J. N. Steiner "La Valseuse" Mechanical Bisque Doll
J. N. ステネ「ラ・ヴァルスーズ」機械仕掛けビスクドール


c1870 France
1870年頃 フランス
マークなし
高さ:40cm
 
ショルダービスク、固定されたブルーのペーパーウェイトアイ、上下に歯のあるオープンマウス、ピアスされた耳、ビスクの下碗、オリジナルのモヘアウィッグ。脚の表現は無く、機械が内蔵されたスカート型の円錐形板紙底部に車輪がついている。人形と一体式のキーを巻く事により、腕を上下しながら、円を描く様に移動(円舞)し、「ママ」と声を出す仕掛けである。白い木綿レースのサマードレスと腕輪はオリジナル、緋色で揃えた帽子と胸の花はアンティークであるが後の誂えと思われる。
 
ジュール・ニコラ・ステネ(1832-1902)は元来時計職人であったため、初期の人形は機械仕掛け作品を多く制作した。「ラ・ヴァルスーズ(ワルツの乙女)」もそのひとつとなる。メカニズムはもちろん白く焼いたビスクの肌、上下に歯を見せる神秘的な微笑み、ビスクハンドの指表現など、人形としても大変優れた作品である。