CabinetⅠ【第Ⅰ室】〜Dolls 人形
img_2977.jpg img_2986.jpg
2 images

Doll〜人形図録30

Spanish School Carved Wood Infant Jesus
スペイン系木彫「幼子イエス」


c1700 Spain
1700年頃 スペイン
高さ:16.0cm
 
掌に載る小さな幼子イエスの木彫像、彩色顔料が剥落し両前腕が欠損している。ガラス義眼が嵌められスペイン作品と推定できる。1800年以降のスペインやスペイン植民地(当時)で制作された宗教人形は過剰感の強いドラマティックな表情のものが多いが、この作品は19世紀の塗り直しを逃れたことで渋い枯れ感があり、和の仏に通じる穏やかさと静けさを持つ。
 
サルバトール・ムンディ(世界の救世主)を表す腕を広げたポーズ。腰に穴が穿たれており、元来は聖母に抱かれていた可能性もある。臍や性器まで彫刻された掌の中の木像は、修道院で修道女によって手作りの衣装を着せられ可愛がられていたのかもしれない。