CabinetⅠ【第Ⅰ室】〜Dolls 人形
img_3358.jpg img_3360.jpg
2 images

Doll〜人形図録30

German Bisque Head Oriental Mignonette
ドイツビスクヘッドオリエンタルミニョネット


c1900 Germany
1900年頃 ドイツ
高さ:16.0cm 刻印:2?
 
19〜20世紀世界中を植民地支配した西ヨーロッパにおける、フランスのブリュやジュモー、ドイツのシモン&ハルビックなどのビスクドール工房は異なる民族(有色人種)の人形制作を手掛ける。エキゾチックで珍しい肌色の赤ちゃんや少女の人形は目新しいものを好む上流階級に愛された。
 
ビスクヘッドに5ジョイントのコンポジションボディは、東洋人らしい肌色と考えられた「アンバー」に仕上げられている。固定されたブラウンアイ、クローズドマウス、オリジナルの黒髪モヘアウィッグ、足はオフホワイトの靴下に朱色の靴が描かれている。オリジナルの簡単な下着、アンティーク(オリジナル?)の着物風衣装を着用している。足先に修復あり。
 
ミニョネットサイズの人形はその小ささゆえ顔の描きや義眼のセッティングがベベタイプの人形に比べて困難で、整った出来映えの作品が比較的少ない。生産数が少ないオリエンタルドールで顔の良いミニョネットはさらに稀少となる。バランス良く吊り上がった目と眉、コンポジションとはいえ繊細な手指や靴下の表現はシモン&ハルビックによると思われる。ミニチュアの和小物と共に御所籠に収め人形遊びを極めるも一興である。
 
*ウサギの置物は別売りです