CabinetⅣ 【第Ⅳ室】〜Jewellery 宝飾品
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Jewellery〜宝飾品図録41

5-Layer Agate Cameo "Bacchante" Brooch /Pendant
5層アゲート「バッカンテ」カメオブローチ/ペンダント


Mid 19thC France
19世紀中期 フランス
刻印:鷲の頭(18金)、判読困難な工房印 
長さ:(フレーム)5.0cm(カン含まず)(カメオ)3.5cm
瑪瑙 イエローゴールド
 
ローマ神話の酒と豊穣の神バッカス(ギリシア神話ディオニュソス)を信奉し取り巻く女性または巫女をバッカンテと呼ぶ。美術作品においてバッカンテはバッカス同様、葡萄酒や蔦の冠、テュルソスの杖などとともに表される。享楽的で華やかなイメージは18世紀から19世紀のカメオジュエリーの意匠として大変人気があった。
 
カメオはイタリアの彫刻師、ゴールド枠はフランスの金細工師が手がけたブローチ兼ペンダントである。アゲート(サードニクス)の天然5層の色層を生かしバッカンテの髪飾りや山羊の頭の肩飾り、端正な女の顔や巻き毛を彫り出したカメオは見応え十分である。サインは無いが精緻を極めたカメオ彫刻は、その作風からローマの彫刻家ニコラ・モレッリ(Nicolo Morelli 1771-1838)の弟子か工房、少なくともモレッリ作品に影響を受けたローマの職人によると考えられる。大仰ではないサイズ感のカメオとペンダント用バチカンを付けた蔦の葉装飾の軽快なフレームが現代的で着用しやすい作品である。
 
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