CabinetⅡ【第Ⅱ室】〜Paintings 絵画
img_1533.jpg img_1532.jpg img_1530.jpg  
3 images

Paintings〜絵画図録29

Pair of French Chinoiserie Beadwork Pictures
フランスシノワズリ ビーズ絵(ビーズ織り)一対


c1820 France
1820年頃 フランス
署名なし オリジナル鍍金合金額
イメージサイズ:10.1 x 13.6cm 額:16.1 x 19.6cm
 
シノワズリは、17世紀半ば東インド会社(VOC)がヨーロッパにもたらす東洋の品の影響から生まれた中国趣味の装飾様式である。当初は中国の工芸品を単純に模倣していたものが、ロココ最盛期には東洋と西洋の要素が融合され、本来の中国美術とは異なる独自の様式が確立された。
 
色とりどりの極小ガラスビーズを織り上げて架空の中国式の庭園風景を描いたビーズ絵は、復古王政期の手作りのピクセルアート(ドット絵)である。細かく丁寧な手仕事はもとより、ひと粒1mmに満たないガラスビーズに穴を開ける技術、さらに糸を通す極細針を作る技術が200年前にあった事に驚かされる。
 
シノワズリ柄のビーズ絵は大変珍しいにもかかわらず、モチーフに合わせた東洋風の竹の意匠の額縁が気が利いている。キラキラと劣化することのないガラスビーズの煌めきに、シノワズリを含めロココ文化の粋を極めたフランス革命前の宮廷の輝きに思いを馳せずにはいられない。