Doll〜人形図録28
Carved Tusk Kewpie Figure
牙彫キューピー人形
c1920 Probably France
1920年頃 おそらくフランス
高さ:7.0cm
現代において漫画やアニメのキャラクターグッズを収集することは一般的な趣味である。児童絵本が普及した19世紀後期以降、絵本の人気キャラクターの関連商品が量産されるようになった。キューピーはアメリカ人イラストレーターのローズ・オニール(Rose O'Neill 1874-1944)が1909年の婦人雑誌に発表したキャラクターである。イラストのキューピーは1912年ローズ本人の指導のもとドイツケストナー社によって人形として生産され世界中で愛されるようになる。キューピーは日本においてもセルロイド人形や子供の着物の絵柄などで人気を獲得し現代に至る。
獣牙特有の重みと滑らかな質感が手に心地良い牙彫のキューピー人形である。ローズの原画からはほど遠い邪気ある表情は彫り師の意図なのか、一方ぽっこり出た腹を抱える両手や尻のエクボは愛らしく、面白みのある姿は一点物の手彫りでしか出せない味わいがある。首に修復あり。