Miscellaneous〜その他の作品図録32
Silver Child Head Baby Rattle with 2 Bells and Mother-of-Pearl Teether
銀製子どもの頭と白蝶貝のガラガラ
1913 Birmingham England
1913年 バーミンガム イギリス
刻印:純度950、1913年、バーミンガムを表す英国印、C&N(Crisford & Norris Ltd 工房印)、RdNo.359172
長さ:12.0cm
欧米において「銀の匙を口に入れて生まれてくる」という表現は、豊かな家系に生まれることを意味する。子どもに貴金属を贈る風習は、子どもの一生を通じて家族の社会的、経済的な地位が保たれるようにという願いが込められている。金製銀製のガラガラ(ベビーラトル)はその代表的な誕生祝いの品であり、ユニークな意匠のものも数多く欧米では蒐集家の多いアイテムである。赤ちゃんが口に入れて歯固めできるよう、持ち手は獣牙や珊瑚などの天然素材である。
子どもの頭を銀でかたどったガラガラは、ノベルティ(目新しく珍しいの意)小物を得意としたバーミンガムの銀工房 Crisford & Norris Ltd(1896-1978)の作品である。利発そうな子どもの端正な顔立ちや葉っぱの浮き彫り模様の鈴は大変細かく丁寧なつくりで、へこみなども無く良い状態である。持ち手は真珠母貝(白蝶貝)である。