AnnexeⅠ【分室Ⅰ】〜 香水瓶①

La Parfumerie フランス香水商の陳列棚

アンティQ【anti-Q】 パリの香水商によるアンティークの香水瓶

 ベルエポックと称される19世紀後期のフランスでは、合成香料の開発によって大量生産の香水産業が急速に発展しました。香水メーカーは香りだけでなくネーミング、ラベル、ボトル、箱をトータルでデザインし、魅力ある商品として売り出しました。貴婦人たちは、調香師に作らせた香水を自分用の香水瓶(フラコン)に移すことを止め、有名アーティストによる斬新なパッケージと、一流ガラス工房製作の美しいガラス瓶にあらかじめおさめられた、ブランド名を冠した香水を香水商の店先で求めるようになります。クチュールのメゾンも自社のイメージに合う香水を創り始め、香水瓶は小さな芸術品として女性の化粧台を華やかに飾りました。
 
 アンティQではオリジナルに近い状態の箱付きのアンティークの香水瓶を取り扱っています。特にボードリュシャージュ(薄い膜と金糸が掛けられた状態)のまま保存されてきた未開封のガラス瓶は、蒐集家の間で国際的に「ジュース」と呼んで珍重する香水の液体が時代を超えて残され、古き良き時代のパリの空気までもが封じ込められています。掲載作品についての価格や状態、掲載されていない在庫作品につきましては【CONTACT お問い合わせ】よりお問い合わせください。
 

La Parfumerie

アンティーク香水瓶図録(香水年代順)

*サイズはボトル本体の高さです

MÜLHENS "Eau de Cologne No.4711"
ミューレンス 『オーデコロンNo.4711』1792年

H 11.0cm *sealed with contents(未開封 1935年頃のボトル) 
 
香水職人ファリナが1709年に発明した「ケルンの水=オーデコロン」。ウィルヘルム・ミューレンスのオーデコロン製造工房が在る建物に、ケルンを占領したナポレオン軍が振った番号No.4711がそのまま商品名となった。
4711 Glockengasse (GER) 
 
 

GUELAIN "Cuir de Russie"
ゲラン『ロシアの革』1890年

H 9.8cm *sealed with contents(未開封)
Cristalleries de Baccarat バカラ 
 
「ロシアの革」はゲラン創始者の息子エーメが19世紀後期に創った香水である。この品はゲランが1914年に2軒目のメゾンを構えたシャンゼリゼ通りの住所が記されていることから1914から20年頃までのものと思われる。
15 rue de la Paix
 

 

L. T. PIVER "Le Trèfle Incarnat"
L. T. ピヴェール『薄紅色のクローバー』1896年

H 10.7cm *sealed with contents(未開封)
Cristalleries de Baccarat バカラ 
 
18世紀にまで遡る化粧品商の家系ピヴェールが、合成香料を用いて成功をおさめた香水。1920年頃まで製造された。クローバー型の栓、ピヴェールの特徴である蝶ネクタイ、美しい印刷の箱、ラベル全て良好な状態。
23 boulevard des Italiens 
 
 

HOUBIGANT "Le Parfum Idéal"
ウビガン『ル・パルファン・イデアル』1900年

H 10.3cm *sealed with contents(未開封)
Cristalleries de Baccarat バカラ
 
マリー・アントワネットやナポレオン・ボナパルトを顧客に持つ1775年創業のグラン・メゾン、ウビガン。東洋的な布箱と金のエンボスラベルが特徴的な香水。
19 rue du Faubourg Saint-Honoré
 
 
 

COTY "Jasmin de Corse" "Ambre Antique" "Chypre de Coty"
コティ『コルスのジャスミン』1906年『アンブル・アンティーク』1910年『コティのシプレー』1917年

H 6.2cm
Cristalleries de Baccarat バカラ 
 
金属製の蓋を開けると瓶の口径と合うよう一つずつガラスを削った中栓が付く。"COTY FRANCE"と金で箔押しされた旅行用革ケース入り。
23 place Vendôme
 
 

VIGNY "Le Golliwogg"
ヴィニー『ゴリウォーグ』1919年

H 5.5cm(頭の毛含まず)
Michel de Brunoff /Lucien Vogel ミシェル・ド・ブルノフ/ルシアン・ヴォーゲル
 
19世紀の英国児童絵本の人気キャラクター、ゴリウォーグ(通称 ゴーリー)の香水。アールデコ期、欧米の芸術分野では富裕層向けに洗練された黒人文化が流行の先端であった。
416 rue Saint-Honoré
 
 

LEMOINE "P'tite Mie"
ルモワーヌ『プティット・ミ』1920年頃

H 9.5cm *sealed with contents(未開封) 
 
ジョルジュ・ルモワーヌが19世紀半ばに起こしたパリの化粧品商老舗。大成功をおさめた香水が無いためか資料が少なく、作品が市場に出る事も稀である。
57 rue Saint-Lazare
 
 

ISABEY "Chypre Celtic"
イザベイ『ケルトのシプレー』1924年

H 7.5cm
Bobin Freres ボバン・フレール
デザイン:(Flacon) Julien Viard (Coffret) Sorys(René Duval) 
 
1924年創業のイザベイ社はロスチャイルド家を後ろ盾に高級香水のみを製作。スペインの革細工を模した贅沢な箱入りのボトルはルネ・ラリックと比較される実力派の彫刻家ジュリアン・ヴィアールのデザイン。
20 rue de la Paix
 
 

FORVIL "Chypre"
フォルヴィル『シプレー』1924年

H 7.5cm
Rene Lalique ルネ・ラリック
 
縦に流れる花綱が印象的なルネ・ラリックによる型吹きガラスボトル。ハンドバッグ用の携帯香水瓶として、リップスティック型真鍮容器に入れたデザインが当時画期的であった。
1 rue du Castiglione
 
 
 

LANVIN "Mon Peche"
ランバン『モン・ペシェ(私の罪)』1925年

H 9.6cm
Brosse ブロス
  
謎多きロシア人調香師マダムZが女性クチュリエ、ジャンヌ・ランバンのために創ったとされる香水のひとつ。メゾン・ド・ランバンは「モン・ペシェ」で国際的な成功をおさめ香水商としても不動の地位を獲得する。 
22 rue du Faubourg-Saint-Honoré
 
 
 
 

BIENAIME "Chypre Imperial"
ビアンネーム『シプレー・アンペリアル』1935年

H 6.9cm *sealed with contents,(未開封) 
 
ウビガンの調香師として数々の香水を創ったロベール・ビアンネームが1935年に自分の名で起業したビアンネームだが、戦後は存続できなかった。操業期間が短かった稀少な香水商の香水瓶である。
396 rue Saint-Honoré
 
 
 

NINA RICCI "Coeur Joie"
ニナ・リッチ『喜びの心』1946年

H 14.1cm *sealed with contents,(未開封) 
Lalique ラリック社
デザイン:(Flacon) Marc Lalique (Coffret)Christian Berard
 
クチュールメゾンのニナ・リッチが、ルネ・ラリックの息子マルクとデザイナーのクリスチャン・ベラールを起用し成功を収めた香水。長い間にパッケージの意匠が変わるが、この品は1946年当初のもの。
39 avenue Montaigne
 
 
 

MARQUAY "Prince Douka"
マルケ『プリンス・ドゥカ』1951年

H 12.2cm *with contents, stopper frozen(香水残存、開栓不可)
 
戦前から操業していた DORILLYが、1947年MARQUAYとして新会社を設立。豪華なフィギュアボトルを得意とした。この品は、一度開封されているが、香水の減りもなく、ボトルネックのラベル、ケープや額のラインストーン、羽根すべて完全な状態である。
45 avenue de l'Opera
 
 
 

HERMÈS "Calèche"
エルメス『カレーシュ』1961年

H 8.9cm  *sealed with contents(未開封)
 
エルメスの商標「御者の駆る幌付き四輪馬車」でお出掛けする貴婦人を連想させる香水。ボトルは馬車のランタンを模している。内側が山吹色のモワレシルクの初期のもの。
24 rue du Faubourg Saint-Honoré
 
 

過去の作品

GRENOVILLE "Nuit de Mai"
グルノヴィーユ『5月の夜』1911年

H 6.7cm
Cristalleries de Baccarat バカラ
 
姓の Grenouille (フランス語で「蛙」) をGrenovilleに改名し1879年に創業。有名な CARONの "Nuit de Noel"に先駆けて販売された香水。ネーミング、箱のデザインの類似は影響を与えたのであろうか。
20 rue Royale  *SOLD*
 

COTY "L'Or"
コティ『黄金』1912年

H 8.6cm  *with contents(香水残存) 
Rene Lalique ルネ・ラリック
 
本来コティの香水"Muguet"のためにルネ・ラリックがデザインしたボトルながら、同社の他の香水にもラベルを替えて使用された。"COTY FRANCE"と金で箔押しされた旅行用革ケース入り。
23 place Vendôme  *SOLD*
 

GODET "Cuir de Russie"
ゴデ『ロシアの革』1921年

H 9.8cm *sealed with contents(未開封) 
Cristalleries de Baccarat バカラ
 
ゲランをはじめピヴェール、シャネルがこぞって制作した「ロシアの革」という名の香水。ゴデの発表は1921年だが、この品はバカラ商標から1936年以降と推定される。ロシアバレエのオルフェウスが金でエンボスされた箱が秀逸。
37 rue Saint-Lazare  *SOLD*
 

GUERLAIN "Bouquet de Faunes"
ゲラン『牧神の花束』1922年頃

H 9.7cm
Rene Lalique ルネ・ラリック
 
オリジナルのグレイのパチネが残るボトルは、1925年ルネ・ラリックによるデザイン。底にR. Laliqueサインとゲランのラベルが綺麗に残り、革ケースも保存状態が良い。ボトルネックの下に波紋のある初期モデル(1925-40)。
15 rue de la Paix  *SOLD*
 

CARON "Nuit de Noël"
キャロン『クリスマスの夜』1922年

H 8.2cm *sealed with contents(未開封)
Cristalleries de Baccarat バカラ
 
その名の通り夜を思わせる黒ガラスのボトル、絹の房飾りが付いた鮫皮柄の箱は日本の印籠を模している。高級香水を世界へ向けて輸出した、フランス香水商のなかでも重要なキャロンの伝説的香水のひとつ。
10 rue de la Paix  *SOLD*
 

F. MILLOT "Bois Précieux"
F. ミヨー『ボワ・プレシュー(銘木)』1933年

H 8.0cm  *sealed with contents(未開封)
 
フェリクス・ミヨーによって1839年に創業し、成功していた社を孫のアンリ・デプレが継承する。1920年代、彼の息子で天才調香師のジャン・デプレが創った香水は、斬新な広告や箱の意匠と共に高い評価を得る。
98 boulevard de Sébastopol  *SOLD*