CabinetⅣ 【第Ⅳ室】〜Jewellery 宝飾品
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Jewellery〜宝飾品図録33

Miniature (Probably by Fernand Paillet) /Pearl /Diamond Pendant
ミニアチュール(推定Fernand Paillet)パール/ダイヤモンドペンダント


c1910 France
1910年頃 フランス
刻印:鷲の頭(18金)、判読困難な工房印
長さ:4.0cm(カン含まず)
ゴールド 牙板 ダイヤモンド 真珠 白蝶貝 ガラス 
 
宵を思わせる蒼い背景に仄白く浮き上がる女神と翼の生えた幼児のミニアチュール(細密画)は、霞がかった特徴的な画風からサインは無いがフェルナン・パイエ(Fernand Paillet 1850-1918)によると思われる。ナポレオン帝政以降に流行していた暗い背景に古代風の人物像を白く描くグリザイユ技法のミニアチュールを、画家パイエは絵画の分野で印象派が出現した19世紀後半にぼんやりした輪郭で空気感のある作品へと発展させた。彼のミニアチュールはブシュロンを筆頭に一流の宝飾店や宝飾時計店にこぞって採用された。
 
シンプルなゴールドフレームとはいえグラヴュールで文様を施した側面と白蝶貝の板でミニアチュールの裏を覆った丁寧なつくり、優雅で洗練されたベルエポックの時代感を纏ったペンダントである。
 
*画像に使用しているチェーンは付属しません