CabinetⅣ 【第Ⅳ室】〜Jewellery 宝飾品
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Jewellery〜宝飾品図録35

Victorian Reverse Intaglio Essex Crystal Cupid Brooch
ヴィクトリアン リバースインタリオ エセックスクリスタル クピドブローチ


Late 19thC England or Austria
19世紀後期 イギリスまたはオーストリア
刻印なし 直径:3.0cm 水晶 銀
 
リバースインタリオは、カボションカットした水晶の平らな裏側(リバース)からインタリオ(沈み彫り)でモチーフを刻むことにより表から水晶の中に立体物があるよう見せる彫刻の手法である。この技法はエナメル細密画家ウィリアム・エセックス(William Essex c1784-1869)にちなみエセックスクリスタルとも呼ばれる。
 
ハートに矢を見事命中させ得意げに腕を振り上げる雲の中のクピド。透き通ったドーム状の水晶の中にひとつの小宇宙が展開する円形ブローチである。 クピドの顔の表情、薔薇色の頬のぼかし、髪の毛のハイライトなどの彩色はひと筆ずつ顔料を塗って仕上げている。ヴィクトリア時代のリバースインタリオのジュエリーは鳥、動物、花の自然モチーフが一般的で、この作品のクピドのように、職人の技量が足りないとごまかしが利かない人の姿のモチーフは大変珍しい。また通常、水晶の背景は白蝶貝であるが、このブローチは銀板を鏡面のように使い、反射させた光で雲の立体感をより効果的に見せている。非常にユニークな一品となる。
 
*画像に使用しているケースは付属しません