CabinetⅣ 【第Ⅳ室】〜Jewellery 宝飾品
 

Jewellery〜宝飾品図録39

Right Eye of a Gentleman Miniature Brooch
「男の右目」ミニアチュールブローチ


c1820 England
1820年頃 イギリス
刻印なし 1.5 x 2.1cm
牙板に顔料 ガーネット 真珠 ゴールド ガラス
 
18世紀後半、英国皇太子(後の国王ジョージ4世)が恋に落ちた相手マリア・フィツハーバート未亡人は敬虔なカトリック教徒であったため、英国王室は宗派の違う二人の結婚を認めなかった。皇太子は誰と特定されぬよう彼女の目の部分だけを描くよう肖像画家に命じ、そのミニアチュールを身に着けた。これにより目の肖像はラバーズ・アイと呼ばれ、19世紀前半、流行の装身具となった。
 
ジョージ王朝時代のジュエリーにおいて、愛(Love)と無垢(Purity)を象徴するガーネットとパールの組み合わせは、大変に好まれた。レース・ピンとも呼ばれる首元のレースを留める、このような極小ブローチは、ラブトークン(愛のしるし)やモーニング(追悼)などセンチメンタルな意味をもつ事が多い。
 
このブローチに描かれたヘーゼル(淡褐色)の瞳を持つ男性は誰を見つめていたのであろう。