CabinetⅡ【第Ⅱ室】〜Paintings 絵画
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Paintings〜絵画図録09

17thC Oil Painting on Copper "Adoration of The Child"
17世紀銅板油彩画「幼子イエスを礼拝する聖母」


Middle 17thC Italy or Flanders
17世紀中期 イタリアまたはフランドル
署名なし 同時代の金彩木彫額
イメージサイズ:21.6 x 17.2cm 額:31.0 x 26.0cm
 
金属のプレス加工の技術発達にともない、銅板は油彩画の支持体として17世紀頃から頻繁に使用されるようになる。銅板は木板やキャンバスの支持体に比べ薄くて軽いため持ち運びが容易であり、特に宗教画は海を渡る宣教師に好まれ布教活動に活用された。 一方で銅板の油彩画は、小さな衝撃でも板に歪みやへこみが生じるとその箇所から顔料が剥落する欠点があるため、損傷や修復の少ないアンティーク作品は稀少である。この作品は木板で裏打ちを施し額装されていて大変保存状態が良い。
 
後期ルネサンスからバロック期の絵画表現の特徴ともいえる、漆黒の暗い背景からハイライトを浴びて浮かび上がる聖母子の白い肌と金の光背が、劇的な印象を与える作品である。