CabinetⅡ【第Ⅱ室】〜Paintings 絵画
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Paintings〜絵画図録13

Russian Icon “Woman Praying to the Theotokos in Silver Riza"
ロシアイコン「銀製リザ入り神の母(聖母)に祈りを捧げる女」


1838 Saint Petersburg Russia
1838年 サンクトペテルブルク ロシア
刻印:A・T 1838、84(純度875)、サンクトペテルブルクを表すロシア刻印、工房印
18.0 x 15.0cm
 
ひとりの女が窓辺に掛かる銀のリザに覆われた神の母(東方正教会では聖母マリアを生神女(神を生みし女)と呼ぶ)のイコンに向かって祈りを捧げる場面を描いた図は、正式なイコン(聖画)には分類されないかもしれない。通常のロシアイコンでは板絵全体を覆う金属製のリザ(オクラドともいう)であるが、この作品は画面の一部分、神の母を描いた部分にだけ銀の薄板を貼り付けた大変珍しいものである。
 
「授ける者」として女を見下ろす聖母子の眼差しは、ロシアイコン独特の険しい表情に比べ素朴で可愛らしい雰囲気である。カルトゥーシュには神の母を讃える文言が書かれている。
 
銀刻印にあるサンクトペテルブルクは、1917年までロシア帝国の首都であり、文学や音楽を含め一流の芸術家や職人が集まる帝政ロシア文化の中心地であった。