Paintings〜絵画図録13

Small Russian Icon “4-Types of the Theotokos Icons” in Silver Riza by Ivan Sazikov
Ivan Sazikov 銀製リザ入り小型ロシアイコン「神の母(聖母)4形」


1845 Moscow Russia
1845年 モスクワ ロシア
刻印:A・K 1845、84(純度875)、モスクワを表すロシア刻印、工房印
11.0 x 9.0cm
 
 手のひらサイズのロシアイコンは18〜19世紀に流行し、お護りとして携帯したり埋葬の際に棺に納められた。この作品は小さな画面をさらに4分割して神の母(東方正教会では聖母マリアを生神女(神を生みし女)と呼ぶ)の4つの姿をテンペラで描いている。描かれた聖母は、小品のためか通常のロシアイコンの独特な顔に比べ素朴で可愛らしい雰囲気である。
 
上段左:幼子イエスに頬を寄せるエレウサ型聖母 ロシアイコンでベールを着けない聖母は珍しい
上段右:「戴冠の聖母」
下段左:「慰めの聖母」幼子イエスは両手で巻物を広げている
下段右:「七つの御悲しみの聖母」
 
 聖人の頭光や衣装を打ち出した銀の薄板の覆い、リザ(オクラドともいう)には、モスクワの銀細工師Ivan Sazikovの刻印がある。Sazikov家は、質の高い金銀細工品でロシア帝政期の工芸分野において重要な一族のひとつであった。