Paintings〜絵画図録31

Tinted-Daguerreotype Portrait of Child Holding a Rifle
着色ダゲレオタイプ（銀板写真）長銃を抱える幼児の肖像

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c1850 France
1850年頃　フランス
署名なし　オリジナル革ケース
イメージサイズ：7.0 x 7.0cm　ケース：7.7 x 7.7cm
 
子供椅子に腰掛けるチェック柄のチュニックを着た幼児の19世紀の肖像写真。幼い子どもの右腕が長銃を抱える異様な姿の極めて珍しい肖像である。19世紀半ばまで幼児服は男女の区別は無く男児もスカートやドレスを着ていたことから古い写真や絵画で幼児の性別を判断することは困難とされるが、この写真は幼い頃から騎士道精神や紳士としての振る舞いを教えられる上流階級の男児と考えられる。
 
フィルム等と違い銀板または銀メッキした銅板そのものに画像を定着させるダゲレオタイプによる写真は、複製の無い世界で唯一の写真である。当時まだ珍しかった写真技法で我が子の肖像を残すことのできる裕福な家に生まれ、銃を抱え真面目に被写体を務める男児が将来軍人として出世したのかと想いを巡らさずにいられない作品である。