Works of Art〜美術工芸品図録01

Dieppe Carved Ivory Child Asleep
ディエップ象牙彫刻「眠れる幼子」


c1880 France
1880年頃 ディエップ フランス
サインなし 長さ:10.7cm
 
 フランスノルマンディー地方、イギリス海峡の港町であるディエップでは、古くから西アフリカ海岸よりアフリカ象の牙と彫刻技術が輸入され多くの象牙細工品が作られた。17世紀バロック期以降象牙彫刻品の需要が高まり、ディエップは象牙細工の中心地となる。
 
 眠っているこどもを主題とした作品は、古代ギリシャ時代のブロンズ像「眠るクピド」(メトロポリタン美術館蔵)をはじめカラヴァッジョやムリーリョら多くの芸術家がクピドや幼子イエスとして表している。純真無垢な表情は見る者の心を和ませる普遍の主題といえる。
 
 この作品は掌にのせられるサイズとヴォリュームがあり、軽く開いた口や手足の指と行った細部まで見事に表現されている。