CabinetⅢ 【第Ⅲ室】〜Works of Art 美術工芸品
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Works of Art〜美術工芸品図録17

Pressed Tortoiseshell Aide Mémoire
型押しべっ甲備忘録(エド・メモワール)


c1840 France
1840年頃 フランス
ノート:l'Editeur Paris 9.5 x 7.0cm
べっ甲 獣骨 金色合金 絹 紙
 
趣向を凝らした舞踏会のお伴カルネ・ド・バル(舞踏会の手帳)は、贅沢な牙板に繰り返し書き込む仕様が主流である。エド・メモワール(備忘録)はレフィル交換できるノート型の紙のメモ帳を呼ぶことが多い。いずれの手帳も貴婦人が携帯した愛の物語を秘めたオブジェである。
 
型押しによるカメオ風の女性の横顔の2つのパネルを線彫りと金彩の葉飾り文様で装飾した、つややかなべっ甲の表紙が上品で洗練された手帳(エド・メモワール)である。内側はピンクベージュのモワレシルクでライニングされたノート(紙)とポケットで、獣骨製のペンシルが付く。庭園で寛ぐ親子の銅版画が扉絵のノートは取り外してレフィルと交換できた模様で、1週間分のページがある。この手帳自体は未使用だが、カルネ・ド・バルとして舞踏会に持参しても良い位の品質の高い作品である。