Works of Art〜美術工芸品図録17

Viennese Silver and Enamel Miniature Cradle by Rudolf Linke
Viennese Silver and Enamel Miniature Jug
Rudolf Linke ウィーンエナメル 銀製ミニチュア揺籃
ウィーンエナメル 銀製ミニチュア・ジャグ


Late 19thC Vienna Austria
19世紀後期 ウィーン オーストリア
(揺籃)刻印:ウィーン銀刻印(純度800以上)と工房印 長さ:6.0cm 高さ:8.6cm
(ジャグ)判読困難な刻印 高さ:1.5cm
エナメル 鍍金された銀 銅
 
 オーストリア=ハンガリー帝国のオーストリア皇帝およびハンガリー国王フランツ・ヨーゼフⅠ世(1848-1916)治世のウィーンでは、多くの建築が建設され、ブラームスがウィーン合唱団を指揮し、ヨハン・シュトラウスのワルツが演奏される舞踏会が催された。その豪華で優雅なサービスを愉しむため、ヨーロッパ各国から多くの王侯貴族が訪れた。
 
 当時のウィーンのエナメル細工は、作品全体に古典的な神話を主題としたルネサンス風の装飾を色鮮やかに施すという非常に凝ったものであり、蒐集品として国内外の王侯貴族に大いに好まれ、ウィーン訪問の贅沢な高級土産として人気を博した。
 
 自然の中で戯れるプットーを描いた揺籃は、上部にとまった銀細工のコウノトリ、その足下に天使、赤ちゃんがぶら下がる、ユニークなデザイン。天使の羽根はエナメルで着色され、細部まで丁寧な手仕事である。
 
 蓋の付いたミニチュアのジャグは、屋外の貴婦人と貴公子を描いたロココ・リバイバルの様式である。取手の部分にチェーンを通してペンダントとして着用する事が出来る。
 
 高温で焼成するフランスやスイスのエナメル細工に比べやや脆いウィーンのエナメル細工であるが、二点とも損傷も無く大変良い状態である。
 
*2点は別売です