Works of Art〜美術工芸品図録19

Louis Kuppenheim Silver-Gilt Cat Minaudière
Louis Kuppenheim 鍍金銀製猫文ミノディエール


c1920 Pforzheim Germany
1920年頃 フォルツハイム ドイツ
刻印:マーキュリー(純度800) 長さ:9.3cm(チェーン含まず)
鍍金された銀 ルビー ピンクサファイヤ? 象牙 鏡
 
 ミノディエールは、高級素材の携帯用化粧小物入れ(ヴァニティ・ケース)のことで、1920年代にヴァン クリーフ&アーペル社が名付けた名称である。この手のケースは化粧品や化粧道具のほかに、櫛、鏡、ダンスカード、シガレットホルダー、時計等を収納するためのコンパートメントを備え、宝飾品のひとつと見なされた。
 
 銀製装身具の分野で歴史を誇るドイツ フォルツハイムの有名工房Louis Kuppenheimは、動物のレリーフやエナメル細工の、意匠を凝らした銀製ケースを得意としたが、なかでも猫の姿を打ち出したミノディエールやピルケースは当時から人気が高く様々なヴァリエーションがある。猫の耳と尾の一部が四角いケースからはみ出したユニークなデザインと、精緻に表現された猫のヒゲや毛並み、首のリボンが素晴らしい。
 
 ケース内部は、象牙板と鏡で仕切られた一方に蓋付きのコンパートメントが2つ、もう一方はバネ仕掛けの紙片挟みが付く。ケース外側に銀製ペンシルが内蔵されている(凹みあり)。銀製手提げチェーン付き。刻印はフランスの輸出印のみである。
 
 ケース全体に若干歪みあり(可能な限り調整済み)。