CabinetⅢ 【第Ⅲ室】〜Works of Art 美術工芸品
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Works of Art〜美術工芸品図録37

Neo-Renaissance Bloodstone Tazza on Silvered-Metal Dragon Support
ネオルネサンス ブラッドストーン 銀メッキドラゴン飾り杯


Late 19thC Belgium
19世紀後期 ベルギー
刻印なし 14.6cm
 
暗緑色に血沫のような赤い斑点模様のブラッドストーンは、磔にされた十字架の下に染み込んだキリストの血が石になったものとして、絶対的な魔除けの力が宿る神聖な石と伝えられる。宝物を守護するようにドラゴンがブラッドストーンのボウルを支える、後期ルネサンスまたはバロック様式の飾り杯である。
 
竹に巻き付くドレイク(翼の無いドラゴン)のステムの装飾は、東洋の龍巻花瓶などから着想を得たものであろう。目に嵌めた赤いカボションの石(おそらくルビー)の裏に描き込んだ黒目が生み出すドラゴンの表情が秀逸である。
 
台座側面に刻まれた文言 "A. M. DUVIVIER HOMMAGE DE L'AUTEÚR, BULS, BOUGMESTRE(A. M. デュヴィヴィエ 著者へ称賛をこめて、ブリュッセル市長ブルス)"によって、1881から99年までベルギーの首都ブリュッセルの市長を勤めたシャルル・ブルス(Charles Buls 1837-1914)からの贈答品であったと思われる。フリーメイソンに属し自由党メンバーであったブルスは、市長在任中にグランプラスや芸術の丘などの文化遺産の保護に尽力したことで評価の高い政治家である。