CabinetⅢ 【第Ⅲ室】〜Works of Art 美術工芸品
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Works of Art〜美術工芸品図録37

Pair of Silver Stork Umbilical Cord Tweezers
銀製コウノトリ臍帯ピンセット[part2]


Possibly 19thC Continental
おそらく19世紀 ヨーロッパ(英国を含まない)
判読困難な刻印
高さ:11.0cm 嘴部分長さ:5.4cm
 
赤ちゃんを運ぶコウノトリに蛇が巻き付く臍の緒用ピンセット。ハンドルを開くと片側のへこみ部分におくるみに包まれた赤子のレリーフが現れる。赤いカボションのガラス目を嵌めたコウノトリ、その足下にはトカゲが鎮座する。コウノトリは蛇などの害虫を食べることから、悪いもの(蛇やトカゲ)から赤ちゃんを守護する意匠と伝えられる。嘴に巻き付く蛇の形状が臍の緒を表すとの説もある。
 
市場に頻繁に出回るアイテムでは無いため情報が少なく、分娩時に実用した医療器具であったかは定かで無い。コウノトリを立てて飾る仕様の凝ったつくりの銀細工であることから、上流階級の妊婦へのお祝いまたはお守りとしての贈答品と考えられる。
 
☞ 臍帯ピンセット[1]も併せててご覧ください