Jewellery〜宝飾品図録37
Wedgewood Jasperware Artemis Diamond Brooch
Rosecut Diamond Lyre Brooch
ウェッジウッドジャスパーウェア「アルテミス」ダイヤモンドブローチ
ローズカットダイヤモンド「リラ(竪琴)」ブローチ
Middle 19thC France
19世紀中期 フランス
(女神)刻印:フクロウ(18金)
サイズ:2.5cm ダイヤモンド ゴールド 石器(ストーンウェア)
(リラ)刻印:鷲の頭(18金)、猪の頭(純度800)、判読困難な工房印
サイズ:1.8cm ダイヤモンド ゴールド 銀
入念に並べ留めた極小のローズカットダイヤモンドがちらちらと煌めく小ぶりなブローチ2点。ジョージアン後期(18世紀後期から19世紀初頭)に流行した首元のレースを留めるレースピンに似たサイズであるが金張りまたは9金に半貴石やガラスペーストといった当時の作品とは異なり、小さくてもあくまで贅沢優雅、象徴性をもつ神話的ブローチである。男女問わず着用できるのも魅力である。
1774年にジョサイア・ウェッジウッド(Josiah Wedgwood 1730-1795)が開発し現在まで高い人気を誇るジャスパーウェアの陶板カメオのプローチ。白い浮き彫りの背景はポートランドブルーと呼ばれるくすんだ藍色で、陶土にあらかじめ色を混ぜ込む(ソリッドカラー)現代物と違い表面に着色を施す(ディップドカラー)初期作品特有の繊細な出来栄えである。弓を手にする女はギリシア神話のアルテミス、月と狩猟の女神である(ローマ神話のディアナと同一視される)。潔癖であるがゆえ残忍な一面をもつ美しい処女神を表した、甘く可憐な女性らしさとは一線を画すブローチである。ペンダント用カンがつく。
音楽と詩を司る太陽神アポロン(アルテミスの双子の兄弟)や音楽家で詩人のオルフェウスの持物として表される古代ギリシアの楽器リラ(竪琴)をダイヤモンドでかたどったブローチ。前面に高低をつけたダイヤモンドのセッティングと螺旋風に線彫りした弦の彫金が楽器の立体感を生み出している。ルイ・フィリップ治世(1830-48)のパリはショパン、リスト、ベルリオーズ、シューマン、ワーグナーが活躍する音楽の中心地でありオペラや演劇も盛んであった。このブローチを着用したのは洒落込んで演奏会に赴く淑女か、音楽家のパトロンであるブルジョワ紳士か、舞台に立つ演奏者か、想像が膨らむ逸品である。
*2点は別売りです
*画像に使用しているケースは付属しません