CabinetⅡ【第Ⅱ室】〜Paintings 絵画
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Paintings〜絵画図録34

Pietra Dura (Florentine Mosaic) Plaque "Hill Overlooking Florence Cathedral"
フローレンスモザイク画「大聖堂(ドゥオモ)の見える丘」


Mid 20thC Florence Italy
20世紀中期 フィレンツェ イタリア
署名なし 金彩木製額
イメージサイズ:8.4 x 12.0cm 額:12.0 x 15.6cm
 
フィレンツェの伝統工芸ピエトラデュラ(Pietra Dura 別名フローレンスモザイク)は大理石などの天然石をカット、象嵌して絵や模様を作り出す技法である。フローレンスモザイクを嵌めた装身具や小箱また天板テーブルは、17世紀以降のグランドツアー(イギリス上流階級の子弟が見聞を広めるためイタリアなどへ旅行すること)において贅沢な土産品として大変好まれた。
 
フィレンツェのシンボルであるサンタマリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオモ)のクーポラとジョットの鐘楼を丘の中腹から見下ろす風景を描いた小ぶりなフローレンスモザイク画である。勾配のある道、生い茂る緑、彼方に見える山を天然石の色や模様を組み合わせ隙間なく敷き詰め描いている。石の白い斑が雲を表す薄曇りの空は特に秀逸である。作品の主題や雰囲気から、モザイク作家Giovanni Ugoliniが1868年にフィレンツェで創業し現在に至るG. Ugoliniの1950年頃の作品と思われる。