Paintings〜絵画図録37
18hC Gravure Habillée "St. Mary Magdalene"
18世紀グラヴュールアビレ「マグダラのマリア」
Mid 18thC France
18世紀中期 フランス
C. le Brun Pinxit /Paris chez Basset rue S. Jacques(版上)
オリジナル金彩木製額
イメージサイズ:23.2 x 17.7cm 額:27.7 x 22.2cm
マグダラのマリアは改悛した娼婦であり、イエスに最も近い女性と考えられている。復活したイエスに最初に会ったのも彼女であり、フランスサント・ボームの山の洞窟で生涯を閉じるまで30年間隠棲したと云われる。この作品の中のイエスを悼むマグダラのマリアは丁寧に編んだ髪型にいくつもの装身具を着け、通常の彼女のイメージよりも着飾った印象である。このモチーフは、ルイ14世の宮廷画家シャルル・ルブラン(Charles Le Brun 1619-90)が描いた『アレクサンドロス大王の足元のペルシアの王妃たち』(1661)の中の王妃のひとりを後年マグダラのマリアに見立てて原画をアレンジした図像である。
18世紀フランスの宗教版画で重要なパリのBasset工房により刷られたエングレーヴィング(グラヴュール)のマグダラのマリアの版画。これにレースやテキスタイルを貼り込んだ作品で、この技法はグラヴュールアビレと呼ばれ18世紀に信仰をともなう室内装飾品として流行した。褪色した天然染料の風合いが2世紀という時間の経過を感じさせるが、当時は光沢のあるテキスタイル素材を使うことで絵の具では表現できない神々しい効果を生み出そうと作られた。豪華絢爛な聖女の姿を想像するのも一興である。全体にシミ、ヤケ、金彩額の剥落などあり。