CabinetⅡ【第Ⅱ室】〜Paintings 絵画
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Paintings〜絵画図録37

Miniature Paintings "Satyr and Nymph"
ミニアチュール(細密画)「サテュロスとニンフ」


1824 France
1824年 フランス
署名:1824 牙板に顔料
オリジナル黒塗木製額
イメージサイズ:7.2 x 9.4cm 額:13.7 x 16.6cm
 
ギリシア神話に登場する四足獣のような下半身で山羊のような角をもつ半人半獣の精霊サテュロスは、ローマ神話の森の精霊ファウヌスやギリシアの牧羊神パーンとしばしば同一視される。キリスト教では自然の精霊は異教と見做されたため、もともと奔放な性格のサテュロスはヨーロッパ美術において悪魔的で邪悪なイメージで描かれることが多い。
 
多くの芸術家が手掛けるギリシャ神話の代表的な主題のひとつ「サテュロスとニンフ」のミニアチュール(細密画)である。木陰で寛ぐ妖艶なニンフを茂みから覗き見る好色なサテュロスを描いた小さな楕円形の細密画である。繊細で透明感のある人物の毛髪や肌の陰影、それとは対照的に不透明な顔料を盛り上げ重厚な布や草葉の質感を描き分けた筆致の優れた作品である。とりわけ光を放つようなニンフの白い肌は秀逸である。フランス復古王政期の上流階級の寝室をひそやかに彩る一点ものの装飾絵画作品である。画面下側に顔料の剥落あり。