Jewellery〜宝飾品図録03
Meyle & Mayer Art Nouveau Maiden Plique à Jour Enamel Silver Brooch
マイレ&マイヤー作アールヌーヴォー女性像プリカジュールエナメル銀製ブローチ
c1900 Pforzheim Germany
1900年頃 プフォルツハイム ドイツ
刻印 : フクロウ(18金)、白鳥(銀) 長さ:4.4cm
エナメル 真珠 イエローゴールド 銀
装身具の生産で古くから歴史を誇るドイツのプフォルツハイムは、19世紀末には九百もの工房が存在し、1910年頃には全市民の半数が装身具の仕事に従事していたという。フランスのアールヌーヴォー様式を素早く取り入れ多くの作品を市場に送り出していた。
中でもマイレ&マイヤー工房は、銀に精緻なエナメル技法を使ったアールヌーヴォー様式の装身具や高級小物で知られる。このブローチは表は銀、裏は18金の二枚板で成り、女の髪は薄い灰青色のエナメル、植物は二色の緑でプリカジュールエナメル(透胎七宝)が施されている。繊細な細工であるが状態は良好。マイレ&マイヤー作品の多くが銀製のなかで、高品質な宝飾品の需要が高かったフランス市場に向けて裏に18金の板を使用したと考えられる。