Jewellery〜宝飾品図録21

Pair of Mississippi River Pearl /Vermeil (Silver-Gilt) Mistletoe Hat Pins by PIEL Frères
PIEL Frères ミシシッピ・パール/ヴェルメイユ(鍍金銀製)ヤドリギ装飾ハットピン一対


c1905 France
1905年頃 フランス 
刻印:猪の頭(純度800) 工房印
長さ:23.4cm/20.7cm うちモチーフ部分:3.8cm/4.0cm
ミシシッピ・パール 銀 スチール
 
 PIEL Frèresは、1900年のパリ万博でルネ・ラリックやブシュロンらと共にグランプリを獲得した実力のある工房である。ゴールドの代わりに鍍金した銀やブロンズ、貴石の代わりにガラスを使い、求めやすい価格で魅力的なアールヌーヴォー・ジュエリーを世に送り出したことで有名である。顎下で結ぶ紐の無い大きな帽子が登場した1890年代から1920年代まで流行したハットピンは、当時多くの工房が手がけたアイテムである。
 
 アメリカのミシシッピ川流域で産出される天然の淡水真珠ミシシッピ・パールは、軽やかな羽を思わせる形状からフェザーパールと呼ばれ、ユニークな色や形がアールヌーヴォー期の宝飾作家を魅了した。PIELによるハットピンは、特にエンジェル・ウィング(天使の翼)と呼ばれるヴォリュームある真珠を銀細工のヤドリギで装飾した芸術的な作品である。
 
 20cm程度の長さのあるハットピンは、当時一対で着けることが多く、この作品は一対揃いで保存された貴重なもので状態も良い。