Jewellery〜宝飾品図録28

Gold Novelty Charms of Mr. PUNCH and BILLIKEN on Plane
「パンチ」と「ビリケン」のゴールド・チャーム


Late19thC England/ c1915 France
(パンチ)19世紀後期 イギリス
刻印なし 高さ:2.6cm
(ビリケン)1915年頃 フランス
刻印:鷲の頭(18金)、判読困難な工房印 高さ:1.7cm(カン含まず)
 
現代では漫画やアニメのキャラクターグッズ収集は一般的な趣味である。19世紀後期以降キューピーやミッキーマウス等の人気キャラクターが生まれ関連商品が量産されたが、主に子供向けの安価な素材が多く、良い状態で現存するアンティークは少ない。ふたつの精巧な18金の彫金細工のキャラクター・チャームは量産品ではなく、宝飾店が裕福な愛好家向けに制作した珍しいものとなる。
 
17世紀からイギリスに伝わる人形劇「パンチ&ジュディ」のパンチは、過激な言動からヴィクトリア時代には風刺漫画雑誌の題名にもなり人気の頂点を極めた。わずか2.6cmの18金の傴僂太鼓腹の道化師パンチは、襞襟や上着ボタン、靴のリボンまで再現された衣装に身を包みトレードマークの棍棒を手にしている。9金の引き輪つき。
 
日本でも親しまれるビリケンは1908年にアメリカの女性彫刻家が作った幸運の神様である。お守りとして世界的に多くの商品が作られ、フランスでは1920年代カルティエがミステリークロックの意匠に使用した。飛行機に乗るビリケンは、1906年サントス・デュモンの初飛行以来、飛行機開発に力を注ぐフランスらしい作品で、第一次大戦でお目見えした複葉双発機(おそらくCaudron)をイメージした機体は、小さなプロペラが回る芸の細かさである。当時まだ珍しい飛行機に乗る者の安全を祈願して特注した品であろう。