CabinetⅣ 【第Ⅳ室】〜Jewellery 宝飾品
 
 

Jewellery〜宝飾品図録28

Italian Micromosaic Brooches, 2 of depictiong Dove and 2 of Flower Basket
イタリアマイクロモザイク白鳩ブローチ2点と花籠ブローチ2点


Mid~Late 19thC Italy and France
19世紀中後期
 
ローマの伝統工芸マイクロモザイクを嵌めた装身具や小箱は、17世紀以降のグランドツアー(イギリス上流階級の子弟が見聞を広めるためイタリアなどへ旅行すること)において贅沢な土産品として大変好まれた。ルースで故郷へ持ち帰り、自国の職人に好みのジュエリーに誂えさせたりもした。
 
超絶技巧のモザイクブローチ四点は、19世紀のモザイク作品に多く見られる古代遺跡などのイタリア名所の主題ではなく、小鳩や花の意匠がロマンティックで着用しやすいものとなる。
 
①白鳩/ブルー 楕円形:イタリア
刻印なし 長さ:5.2cm ガラス オニキス 合金に銀めっき
細かなテッセラ(tessera ガラス片)を隙間なくさざ波の如く敷き詰めたラピスラズリ色の背景から浮き上がる白鳩と薔薇。モザイク表面はうっとりするほど滑らかで、少々無骨な蔦の葉モチーフのフレームがモザイク画の緻密さを一層際立たせる。着用時に重みでブローチが下を向かないようカーブした銀製固定ピンに交換済み。
 
②白鳩/ピンク 円形:イタリア
刻印なし 長さ:2.8cm ガラス 金色合金
寄り添う二羽の白鳩とマーガレットのローズピンク色のブローチは恋人への土産用であろうか。鳥や花弁の陰影や葉を表現するテッセラの配色が見事である。シンプルな古代風のグラニュレーション(粒金細工)フレームがかえってモダンな印象である。
 
③花籠/円形:フランス
刻印なし 直径:2.3cm ガラス 金砂石 真珠 ゴールド(おそらく18金)
金砂石に嵌めた直径僅か1.2cmの超細密な花籠のモザイク画。ミクロサイズのテッセラを一片ずつ埋め込むことで生み出した花弁や葉の陰影、籠目は筆で描いたように滑らかでオランダ静物画を凝縮したようである。ハーフパールで取り囲むフレームは、モザイクの品質に見合う丁寧なつくり。ペンダント用カンが付く。
 
④花籠/楕円形:フランス
刻印:鷲の頭(18金)、判読困難な工房印
長さ:2.4cm(モチーフ部分) ガラス ジャスパー ゴールド
チューリップや薔薇の花で溢れる豊饒な花籠のモザイクを、華麗で重厚感がある赤ジャスパーが引き立てる。ジャスパーに小さな傷あり。金細工は同時代のオリジナルであるが、長いピンを取りペンダントトップへの加工もお勧め。
 
*4点は別売りです
*画像に使用しているケースは付属しません
 
*①②③SOLD*