Jewellery〜宝飾品図録29

Gold, Enamel Venus & Cupid (Probably by Eugène Richet) and Diamond Brooch
ゴールド/エナメル「ヴィーナスとクピド」(推定Eugène Richet)ダイヤモンド・ブローチ


c1870 France
1870年頃 フランス
刻印:鷲の頭(18金)、判読困難な工房印
直径:2.8cm ダイヤモンド イエローゴールド 銀
 
優れた古代エトルリアの発掘品を蒐集したカンパーナ侯爵コレクションは、1861年ナポレオンⅢに買い取られルーヴル美術館で展示されるや、多くの芸術家に影響を与えた。Eugène Fonteney (ウジェーヌ・フォントネー 1823-88)は、古代の金細工の技術を研究し考古学(アーケオロジカル)スタイル・ジュエリー作家の第一人者となった。 
 
蝶々を弓矢で射止めるクピド(エロス)とヴィーナスを描いた質の高いエナメル画のブローチは、「ポンペイ・レッド」と呼ばれる特徴的な赤い背景と、壁画のフレスコを模したマット(ツヤ消し)仕上げから、超一流フォントネー工房にエナメル画を供給していたEugène Richet (ウジェーヌ・リシェ)作品と思われる。ローズカット・ダイヤモンドで囲んだ円形フレームは、考古学風ではなく19世紀後期に一般に普及したブローチ・デザインである。