CabinetⅣ 【第Ⅳ室】〜Jewellery 宝飾品
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Jewellery〜宝飾品図録31

Italian Micromosaic Brooches, 2 of depictiong Doves and 2 of Flower Basket
イタリア マイクロモザイク 白鳩ブローチ二点と花籠ブローチ二点


Mid~Late 19thC Italy and France
19世紀中後期
(白鳩/ブルー)イタリア 刻印なし 長さ:5.2cm ガラス オニキス 合金に銀めっき
(白鳩/ピンク)イタリア 刻印なし 長さ:2.8cm ガラス 金色合金
(花籠/円形)フランス 刻印なし 直径:2.3cm ガラス 金砂石 真珠 ゴールド
(花籠/楕円形)フランス 刻印:鷲の頭(18金)、判読困難な工房印
長さ:2.4cm(モチーフ部分) 8.2cm(ピン含め) ガラス ジャスパー ゴールド
 
ローマの伝統工芸マイクロモザイクを嵌めた装身具や小箱は、17世紀以降のグランド・ツアー(イギリス上流階級の子弟が見聞を広めるためイタリアなどへ旅行すること)において贅沢な土産品として大変好まれ、ルースで故郷へ持ち帰り馴染みの職人に好みのジュエリーを誂えさせたりもした。19世紀のマイクロモザイクでよく見る古代遺跡などのイタリア名所の主題ではなく、小鳩や花の意匠が着用しやすい超絶技巧のモザイクブローチ四点である。
 
細かなテッセラ(tessera ガラス片)を隙間なくさざ波の如く敷き詰めたラピスラズリ色の背景から浮き上がる白鳩と薔薇の楕円形ブローチは、モザイク表面がうっとりするほど滑らかで、少々無骨な蔦の葉モチーフのフレームがモザイク画の緻密さを一層際立たせている。ブローチ着用時に重みで下を向かないようカーブした銀製の固定ピンに交換済み。
 
寄り添う二羽の白鳩とマーガレットのロマンティックなローズピンクの円形ブローチは、恋人への土産用であろうか、鳥や花弁の陰影や葉を表現するテッセラの配色が素晴らしい。シンプルな古代風のグラニュレーション(粒金細工)フレームがかえってモダンな印象である。
 
2cmに満たない花籠モザイク二点は、ミクロサイズのテッセラを一片ずつ埋め込み生み出した花弁や葉の陰影、籠目が、まるで筆で描いたように滑らかでオランダ静物画をそのまま凝縮したようである。円形ブローチは、金砂石に嵌めた直径僅か1.2cmの超細密なモザイクをハーフパールで囲んだゴールドフレームがつく。フレームはモザイクの品質に見合う丁寧なつくりでペンダント用カンが付く。一方チューリップや薔薇の花で溢れる豊饒な花籠の楕円形モザイクは、赤ジャスパーとの組み合わせが華麗で重厚感がある。ジャスパーに小さな傷あり。金細工は同時代のオリジナルであるが、長いスティックピンを取りペンダント・チャームへの加工もおすすめ。
 
*4点は別売りです
*画像に使用しているケースは付属しません