Others〜その他の作品図録09

Carved Two Egg-Hatching Chicks Small Treen Box
木彫 孵卵する2羽の雛 小箱


Late 19thC Probably Switzerland
19世紀後期 おそらくスイス 
9.3 x 6.1 x 6.3cm(雛含む) 木 真鍮 ガラス
 
 キリスト教以前から卵は豊穣のシンボルとして宗教儀式に飾られた。また卵から雛が孵ることは、新しい生命の誕生、転じて新しい人生や復活、再生を意味している。キリスト教文化においてはイエス復活の象徴としてイースターエッグを復活祭に飾る習慣となっている。
 
 上蓋に卵の殻を破って孵化する2羽の雛の彫刻のついた木製小箱は、滑らかに磨かれた卵と、細かく刻まれた生まれたての雛の羽毛の質感の対比が見事な作品である。彫刻の質の高さとガラス義眼の使用から、木彫工芸で名高いスイスのブラックフォレスト作品のひとつと考えられる。
 
 遠い地で新たな生活をはじめる友への贈り物だったのであろうか。