Others〜その他の作品図録10

Black Forest Carved Wood Gnome Head Nutcracker
ブラックフォレスト木彫 小人の頭 胡桃割り


Late 19thC Switzerland
19世紀後期 スイス
長さ:15.7cm シナノキ
 
 スイスのベルン周辺では18世紀から木彫工芸が盛んであり、1880年頃には後に4代続く職人一族Trauffer(トラウファー)が、熊をはじめ森の動物を彫刻した家具や小物、鳩時計を旅行者向けに製作し有名になる。これらの木彫細工を「ブラックフォレスト(黒い森)」と呼ぶが、実際の「黒い森」はドイツのバイエルン州(旧バイエルン王国)に位置する。スイスだけでなくドイツやオーストリアでも類似作品が作られた。
 
 錬金術では四大元素(火・風・水・地)を、象徴や寓喩を用いて四精霊と呼び、地の精霊(ノーム)は地中で生活する老人のような容貌をした小人で表現された。木彫によるユーモラスな小人の頭の胡桃割りは、長く伸びた帽子と髭を握って小人の口に挟んだ木の実を割る仕様となる。「ナットクラッカー」は和訳では「胡桃割り」であるが、金属製ではなく木製の道具の場合、殻の固い胡桃ではなくチェスナット(栗)等への使用が望ましい。
 
 小人の帽子内側に修復あり。