Miscellaneous〜その他の作品図録12
Carved Coquilla Nut Relief Snuff Bottle
Fine Carved Coquilla Nut Snuff Flask
コキーラナット(ブラジルゾウゲヤシ)彫刻嗅ぎタバコ壜
Late 18thC / Middle 19thC France
(右)19世紀中期 フランス 長さ:4.5cm
(左)18世紀後期 フランス 長さ:7.0cm
新大陸からヨーロッパにタバコがもたらされた時、葉に火を着け煙を吸い込む喫煙ではなく粉末を鼻で吸い込む嗅ぎタバコが広まった。嗅ぎタバコは18世紀に流行の頂点を迎え、上流社会では嗜みの作法も確立しその容器(タバティエール)も様々な材質や細工で作られた。
16世紀半ば初めて南米からヨーロッパに渡ったブラジルゾウゲヤシの実は固い殻の堅果で、その殻は緻密な彫刻に適しており掌におさまる小さな工芸品に多用された。特に実の脂質が内部の乾燥を防ぐため、嗅ぎタバコの容器として好まれた。彫刻を施した壜型の嗅ぎタバコ入れは、蝶番付きの箱型に比べて数が少なく珍しい。2点とも上部のねじ蓋が失われることもなく非常に状態が良い。
*2点は別売りです