Miscellaneous〜その他の作品図録16
Louis Kuppenheim Silver Pfeilring Solingen Double Ended Cigar Cutter
Brass Girl Sitting on Chamber Pot Cigar Cutter
Silver Niello Cigar Cutter
ルイス・クッペンハイム銀製/ファイリング・ゾーリンゲンシガーカッター
真鍮製おまるに座る少女シガーカッター
銀製ニエロシガーカッター
c1910 German / c1890 England / c1900 France or Austria
大航海時代にコロンブスがカリブ海の島で出会った葉巻煙草(シガー)。南米各地を植民地としたスペインによって葉煙草の利益は独占されていたが、19世紀初頭のナポレオン軍の侵攻をきっかけとして葉巻煙草はヨーロッパ各地に広まった。今も昔も贅沢な嗜好品である葉巻を嗜むための喫煙具は凝ったものが多い。
(画像右から)
①ルイス・クッペンハイム銀製:1910年頃 ドイツ
刻印:900、LK(工房印)、判読困難な刻印、フランス輸入印?、ファイリング商標
長さ:19.7cm
フラットとVカットのダブルエンド、迫力サイズのテーブル・シガーカッターである。銀製装身具の分野で歴史を誇るドイツプフォルツハイムにおいて、金銀細工師として家業を継いだ有名工房ルイス・クッペンハイム(1891-1982)が銀細工のリブ・パターンを手掛けた高級品。刃物の生産で有名なゾーリンゲンのファイリング社製スチールカッター。
②真鍮製おまるに座る少女:1890年頃 イギリス
刻印なし 高さ:3.7cm(丸カン含まず)
おまるに座る裸の少女のフィギュア。フォブとしてウォッチチェーンに吊り下げ、愛煙家仲間に自慢したヴィクトリア時代のノベルティ(目新しく珍しいの意)である。おまるの底に葉巻を差し込みカットする。スチール製Vカット。
③銀製ニエロ:1900年頃 フランスまたはオーストリア
刻印なし 長さ:4.0cm
あらかじめ彫り下げた窪みに黒金(硫黄に銀、銅、鉛を加えた合金)を焼き付けて研磨することを繰り返し象嵌効果を生み出すニエロ技法による市松模様のフォブ・カッター。豪華な派手さはないが手間を掛けた贅沢なつくりである。スチール製フラットカット。
*3点は別売りです