Others〜その他の作品図録16

French Papier-Mâché Growling Bulldog
フランス製パピエ・マシェ 唸るブルドッグ


c1910 Paris France
1910年頃 パリ フランス
長さ:44.5cm パピエ・マシェ(紙張り子) ガラス 木 金属 猪(?)の毛
 
 19世紀半ばから主にフランスにおいて機械仕掛けの人形や動物が作られるようになる。この時代の鳥や動物のオートマタ(自動人形)は、「動く剥製」と呼べるほどのリアルさを追求した、児童向けの縫いぐるみとは明らかに性質の異なる工芸品であった。
 
 全身に起毛加工を施したパピエ・マシェ製ブルドッグの玩具は、巨大な茶色い瞳の義眼やリアルな牙歯の表現が、生きているかのような迫力である。首輪からのびた鎖を横に引くと、首を振りながら四つ足の木製車輪で前進し、鎖を上に引っ張ると「唸る」ような摩擦音を出して下顎を大きく開く仕掛けである。
 
 1865年に自動人形の工房を起こしたフランスの有名職人 Jean Roulletの娘が、同じく才能ある職人 Ernest Decampsとの結婚でさらなる飛躍を遂げ、器械動物やビスクヘッドを使用したオートマタ(からくり人形)を多く世に送り出した、ルレ・エ・ドゥカン工房の作品と考えられる。