Others〜その他の作品図録17

Pair of Obstetrical Forceps by Maison Lüer
Maison Lüer 黒檀ハンドル産科鉗子


c1850 Paris France
1850年頃 パリ フランス 
刻印:LUER A PARIS. 長さ:28.0cm
 
 ヨーロッパの助産は、17世紀後期に産科鉗子が考案されて以降、民間療法に長けた産婆(女性)から外科や解剖学の知識をもつ男性へと移行した。助産学を確立した男性医学者らは、裕福な貴族の女性の出産に立ち会い一大ビジネスを築くようになる。
 
 Maison Lüerは、ドイツ出身のGeorg Wilhelm Amatus Lüer(1802-1883)がパリに渡って開いた手術器具を製造販売する有名専門店であった。後継者である娘と彼女の夫の代においても多くの器具を開発し大きな成功をおさめた。
 
 鉗子分娩の際に胎児の頭を挟んで引き出すためのナポレオンⅢ世時代の鉗子である。本来は医療器具であるが、黒檀のハンドルと鍍金が残る彎曲のある鉗子葉は、時を経て単独で観た時オブジェとして美しい。欧米では19世紀の医療関係のメディカル・アンティークは蒐集家に人気が高い。