Miscellaneous〜その他の作品図録19
HERMÈS Leather /Silver Miniature Bridle
エルメス レザー/シルバーミニチュアブライドル(頭絡)
Early 20thC? France
20世紀初頭? フランス
刻印:猪の頭(純度800)、判読困難な工房印、HERMES.PARIS
長さ:44cm
貴族の娯楽として遊猟で乗馬を楽しんだり、従者を雇い馬車を駆ることが上流階級のステータスであった時代に、皮革職人ティエリー・エルメス(Thierry Hermès 1801-78)が1837年にパリで起業した馬具工房が現代の有名高級メゾン、エルメスの原点である。
馬の頭に装着するブライドル(頭絡、馬勒)は、馬銜(ハミ)や手綱へ繋がる重要な馬具である。エルメスによる黒革の縮小サイズのブライドルは、実際の馬具同様の丁寧な作りで銀製のハミが付く。珍しいアイテムのため詳細は不明だが、顧客の子ども用木馬や玩具向けの注文品、或いはエルメス職人の試作品と考えられる。道具とはいえヴィンテージエルメスの品格を湛えたオブジェとしての美を堪能できる逸品である。レザーに若干ヒビ割れあり。
参考画像
p12,13,p.29 Jean-Louis Duma著 "Regard Secret Sur HERMES" 1997