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Others〜その他の作品図録22

Papier-Mâché Squirrel Mardi-Gras Head Mask
パピエ・マシェ「リス」マルディグラ仮装用ヘッドマスク


Early 20thC France
20世紀初頭 フランス
高さ:30cm 奥行き:37cm
 
カトリック系キリスト教圏において行われるカーニバル(謝肉祭)の最終日はマルディグラと呼ばれ、過剰な装飾の見世物や仮装行列が広場や街路を埋め尽くす、期間中最も盛大な祭礼が行われる。特に19世紀後期から20世紀初頭は退廃的な世紀末の風潮と相まってグロテスクで風変わりな仮装が流行した。
 
マルディグラ仮装用のリスのヘッドマスクはパピエ・マシェ(紙張り子)製で、大人が頭からすっぽり被る仕様である。仮装のために小さく愛らしいリスを巨大な被り物に仕立てるという発想はかなり奇抜で、軽量だがバイクヘルメットほどのサイズのリスの頭は、相当なインパクトがあり不気味さすら漂うほどである。スクラッチで毛並みを表したマスク表面、大きくつややかな黒目と齧歯類の特徴である前歯はハンドペイント、ヒゲは一本ずつ植え付けの、凝ったつくりである。マスク着用者は、リス鼻筋の金属のメッシュ部分から呼吸し、リスの目頭と耳の付け根の穴から見聞きをし、前歯の両脇の穴から声を出す事ができる。
 
この種のヘッドマスクは祝祭が終わるとその多くが廃棄処分され、残存している作品は極めて貴重である。リスの左側の鼻先に修復があるほかは状態良好の珍品である。