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Others〜その他の作品図録22

Black Forest Carved Wood Cat in Boot Grand Inkwell
Black Forest Carved Wood Pug in Boot Inkwell
ブラックフォレスト 木彫 ブーツに入った猫 特大インク入れ/ブーツに入ったパグ犬インク入れ


c1900 Switzerland
1900年頃 スイス
(猫)長さ:19.5cm  高さ:19.3cm
(パグ)長さ:12.5cm 高さ:10.0cm
シナノキ ガラス
 
スイスのベルン周辺は18世紀から木彫工芸が盛んであり、1880年頃のちに4代続く職人一族 Trauffer(トラウファー)が、熊などの森の動物を彫刻した家具や小物、鳩時計を旅行者向けに製作したことで一挙に有名となった。これらの木彫細工は「ブラックフォレスト(黒い森)」と呼ばれ、スイスだけでなくドイツやオーストリアでも作られた。実際の「黒い森」はドイツのバイエルン州(旧バイエルン王国)に位置する。
 
山に囲まれた地域で作られるブラックフォレスト作品において、山仕事用のブーツからひょっこり頭を出す小動物は親しみのある主題として多く製作された。頭の蓋を開けると中にガラスのインク壺が仕込まれた、猫とパグ犬のインク入れである。
 
片手に乗るパグ犬のインク入れは一般的なサイズであるが、猫目のガラス義眼を嵌めた猫のインク入れは珍しい特大サイズで、靴のつま先が小さな文具や切手を収納できるようになっている。両作品とも頭(=蓋)は明るく、ブーツ(=本体)は暗めの色調で仕上げている。解かれた靴紐や履き古して傷んだ踵やシワのみならず靴底の滑り止めの鋲までも木で彫り出したブーツは圧巻である。