CabinetⅤ 【第Ⅴ室】〜Miscellaneous その他
 
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Miscellaneous〜その他の作品図録22

Japanese Hand-Plaited Rush Watch Chain with Ivory Fob
明治象牙フォブ付き藺草時計鎖


Late 19thC (Meiji) Japan
19世紀後期 明治時代 日本
刻銘なし 長さ:27.0cm
 
明治の初め文明開化にともない外国商館が日本に懐中時計を輸入すると、舶来の時計とチェーン(特に金の)を身に着けることが、富裕層の者にとって大変なステータスとなった。精工舎などが国産の懐中時計製造に着手し始めた明治時代半ば19世紀後期、既にウォッチチェーンは、江戸時代から刀装金具で高い技術を誇る日本の金属工芸の職人によって作られ海外へ輸出、欧米の万国博覧会にも出品された。また茶道具や刀剣の飾り紐として伝統のある組み紐も時計鎖として好まれた。
 
鎖のコマをひとつずつ藺草(イグサ)を手で編み作った珍しい輸出向けの日本製ウォッチチェーンである。楕円形の象牙のフォブは線彫りで美人(表)と蝶(裏)が刻まれている。天然樹脂(セルロイド)のTバーには金属製の小さな亀の飾りが付いている。安っぽい極東からの土産品とでも思われ、頻繁に使用されなかったのであろう。時計の重さに耐えるか不安なほど華奢で軽い鎖であるが、1世紀以上の間残存できる職人技と質の高さに驚かざるを得ない。