Others〜その他の作品図録23

Maison Philippe Latour Girl's Fancy Dress Shoes
メゾン・フィリップ・ラトゥール 仮装用少女靴


c1875 France
1875年頃 フランス
靴のサイズ:約16cm 革 シルクサテン 真鍮 ガラス 紙
 
 ヴェネツィア風の仮面舞踏会(マスカレード)は、身分や素性を仮面で隠し快楽を貪る王侯貴族の間で18世紀末までヨーロッパ全土で流行したが、市民革命後は風紀の乱れが問題視され控えられた。1840年頃から流行する仮装舞踏会(ファンシードレスボール)は、新興ブルジョワを含む上流階級の私邸で催され、主催者が提示するテーマに則した扮装で参加する客らが、自分の奇抜さとセンスの良さを競い合った。また写真の普及とともに、奇矯な仮装で肖像写真を撮影することも流行した。仮装舞踏会は現代のコスプレイヤーに通じるところがある。
 
 当時女性や子どもの仮装で人気のあった道化師コスチュームの子供靴である。ペールブルーのシルクサテンに真鍮の鈴とミルクガラスのボタンが縫いとめられている。可愛いクロモスカードでも有名なMaison Philippe Latourは19世紀に活躍していたパリの靴店である。オリジナルのクロモスカードと厚紙ボックスが付属する。歩行前のベビーシューズと違い残存数の少ない少女用、さらに珍しい仮装用の19世紀のオブジェとなる。
 
 シルクに経年のスレ、傷みあり。