CabinetⅤ 【第Ⅴ室】〜Miscellaneous その他
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Miscellaneous〜その他の作品図録30

Neo-Renaissance Painted Vellum Jewellery Box
ネオルネサンス装飾羊皮紙ジュエリーボックス


Late 19thC France or Italy
19世紀後期 フランスまたはイタリア
サインなし 長さ:15.2cm 高さ:12.2cm
 
幻獣など異形の生物と植物の曲線文様で装飾する美術様式グロテスクは、古代ローマを起源とし、ルネサンス盛期にグロッタ(人工洞窟)の流行とともに広まった。19世紀に新古典主義の影響から再び流行し、幻想的な意匠はのちのアールヌーヴォーなど世紀末芸術に影響を与えた。
 
ルネサンス風の装飾文様をインクと顔料、金泥で手描きした羊皮紙を張ったコフレ(宝箱)である。皮革や布張りのジュエリーボックスは数あれど絵付けの羊皮紙を施した作品は珍しい。鍵穴があり(鍵は欠損)内側はシルク張り。蓋の表面に描かれたG Bの飾り文字は注文主のイニシャルであろうか。ボックス底面はフルール・ド・リス(百合の紋章)模様のプリント紙が張られ平たい金属の脚が付く。枯れた古民芸と合わせたり小さな人形を収めても良い質感とサイズである。