Paintings〜絵画図録18
17thC Oil Painting on Copper "Catherine of Siena"
17世紀銅板油彩画「シエナの聖カタリナ」
Middle 17thC Italy
17世紀中期 イタリア
署名なし 18世紀の黒塗木彫額
イメージサイズ:21.6 x 16.8cm 額:41.0 x 36.0cm
金属のプレス加工技術の発達にともない、銅板は油彩画の支持体として17世紀から頻繁に使用されるようになる。薄くて軽い銅板は木板やキャンバスに比べ持ち運びが容易なため、宗教画として海を渡る宣教師が特に好んで布教活動に活用した。 一方銅板の油彩画は小さな衝撃で歪みやへこみができるとそこから顔料が剥落する欠点があり、損傷や修復の少ないアンティーク作品は極めて稀となる。この作品は小さな顔料の剥落はあるが幸い絵の主題を損なう箇所ではなく、聖女のたおやかな顔と手元を堪能できる。
シエナのカタリナ(1347-80)は、幼少時夢にイエス・キリストが現れたことでドミニコ会の在俗修道女となり、イタリア平和のために教皇のローマ帰還に尽力した。痛々しいほどの禁欲生活を送り若くして帰天した聖カタリナ、茨の冠を頭に百合の花とキリスト磔刑像を手にした絵の中の彼女は、微笑みを湛えた柔和な表情で見る者の心を癒やす。