CabinetⅢ 【第Ⅲ室】〜Works of Art 美術工芸品
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Works of Art〜美術工芸品図録11

Viennese Enamel Miniature Ewer and Charger
ウィーンエナメル・ミニチュア水差しと盆皿


Late 19thC Vienna Austria
19世紀後期 ウィーン オーストリア
刻印なし (水差し)高さ:14.3cm (皿)直径:12.8cm
エナメル 銅 ブロンズ
 
オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝および国王のフランツ・ヨーゼフ1世(1848-1916)治世のウィーンでは、多くの建築が建設され、ブラームスがウィーン合唱団を指揮し、ヨハン・シュトラウスがワルツを奏でる舞踏会が催された。その豪華で優雅なサービスを愉しむためヨーロッパ各国から多くの王侯貴族が訪れた。古典的な神話などを主題としたルネサンス風の装飾で作品全体を覆い尽くす凝ったつくりが特徴的なウィーンのエナメル細工は、ハプスブルク王家だけでなく贅沢な高級土産としてヨーロッパの裕福な顧客に好まれた。
 
この作品も皿の裏側や水差しの内側にまでエナメル画が描き込まれている。高温で焼成するフランスやスイスのエナメル細工に比べやや脆いウィーンのエナメル細工であるが、この作品は損傷も無く良い状態である。