CabinetⅢ 【第Ⅲ室】〜Works of Art 美術工芸品
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Works of Art〜美術工芸品図録13

18thC Soft-paste Porcelain Group of  7 Miniature Figures
18世紀軟質磁器ミニチュア・フィギュア7点


Late18hC England or France
18世紀後期 イギリスまたはフランス
刻印窯印なし 高さ:4.0~4.4cm
 
東インド会社(VOC)がもたらす東洋白磁は長い間ヨーロッパ中の王侯貴族を熱狂させた。18世紀ザクセン王の下、漸く磁器の製造に成功したマイセン窯は、東洋写しからロココ様式まで幅広い作品で西洋陶磁の頂点に君臨する。追随する多くの窯はマイセンを模倣しつつも独自の作品を生み出した。東洋磁器と同じ硬質磁器を完成させたマイセンとは異なり、硬質磁器の完成に至らない18世紀のイギリスやフランスでは、ソフトペーストを使った軟質磁器が主流であった。
 
模様を描いた円柱台座を含め高さ4cmほどのドールハウスサイズのフィギュア7点である。2cm足らずの極小の人物像は、カラフルに彩色された衣装で動きのあるポーズを決めている。「トイ」と呼ばれるミニチュア作品を手掛けていたイギリスのチェルシー窯またはフランス(メネシーやヴァンサンヌ?)作品と思われる。
 
イタリア喜劇コメディア・デラルテのフィギュアは、マイセン王立磁器工場の天才原型師ケンドラー(1706-75)が制作しロココ趣味の王侯貴族の間で流行したことで、多くの陶磁器工房がこぞって製作した。強度は低いがガラス質の柔らかな風合いと発色の良さを特徴とする軟質磁器による喜劇の登場人物らのミニチュアは、ロココ時代の貴婦人のキャビネットを飾るに相応しい作品であった。
 
2体に修復箇所あり。
 
*原則2体1組にて販売します